FASHION ― 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

スーツをわかり合ったドクトルとソリマチ氏の“あうんの呼吸”

2019.2.20 2019.2.20
2019.2.20
ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

「スーツを愉しむ」ことに積極的になってほしい!

今回は、ウェルドレッサーとしても名高いイラストレーターのソリマチアキラさんが、ご自身の作品を携えて、梶が谷の「めだか荘」に訪ねてきてくれました。昨年「AKAMINE Royal Line」で仕立てたダブルブレストスーツが大変お似合いです。

人生初のダブルブレストスーツを作った理由は?

赤峰 ソリマチさんはクラシックの本質をよく理解されているので、スーツの着こなしは文句のつけようがありません。

ソリマチ ありがとうございます。「AKAMINE Royal Line」で作ったコーデュロイのジャケットに続いて、2着目が人生初のダブルブレストスーツになりました。

赤峰 ダブルブレストはお嫌いだったのですか。絶対「ダブルが似合う」とお見受けしましたが。

ソリマチ ダブルは「自分が熟してきた頃じゃないと似合わない」と思っていまして、そろそろ初体験してみようかと。そして、まだ背伸びな感じですが、今後長く着ていくことを考えるとダブルブレストもワードローブに揃えておきたいなと思ってオーダーしました。

赤峰 本当にきれいに着こなしてらっしゃいますが、ソリマチさんは何年生まれですか。

ソリマチ 1966年、東京生まれです。

赤峰 ソリマチさんのスーツは30年代を意識した新モデルです。ジャケットは広めのラペルでゴージ位置がやや下がっているのが特徴で、パンツはワンプリーツのテーパードです。ブリティッシュを基本としたクラシックスタイルですが、僕もソリマチさんも20~30年代の雰囲気が好きなので、もう、わかり合った者同士のあうんの呼吸ですよ。

ソリマチ スタイルは赤峰さんにお任せで、生地はフランネルのミディアムグレーを自分で選びました。ジャケットは詰め物が薄いライトな作りで、とてもコンフォートな着心地で気に入っています。赤峰さんはクラシックに精通されているので安心感がありますね。

赤峰 今日は自分も同じモデルのダブルを着ていますが、これはブリティッシュをベースにしながら日本人に似合う型紙にしています。ピッティ・イマジネ・ウォモを見ても、今のマーケットにも不思議なことにこういうスタイルは全くないんですね。着こなしは、衿芯が入っていない柔らかいシャツ生地のレギュラーカラーのロールを出すと、Vゾーンの表情が豊かになります。

ソリマチ さすがですね。春夏もダブルを着ようと思っています。

ソリマチさんのファッション遍歴と、スタイルを描く難しさ

赤峰 ソリマチさんはヴィンテージにもお詳しいですが、いつ頃から服が好きになったのですか。

ソリマチ 18歳の頃に古着屋で働き始めて、2年ほど後にフレンチトラッドのブランドで働くようになりました。古着屋にいた影響でアメリカの50~60年代のファッションを深く掘り下げていくようになり、スーツも好きになっていきました。

赤峰 20代からオーダーをお召しになっていたのですか。

ソリマチ 20代後半に、“ジャイビーアイビー”と呼ばれる面白いスーツを作って楽しんでいました。30代からはブリティッシュですね。既製品も嫌いではありませんが、スーツやコートは特に生地の質感と縫製が気になるので、ずっとオーダーを着ています。

赤峰 今日は、「スーツの作り手」と「スーツの描き手」の対談でもありますが、イラストを描くときはどんなところに力を入れていますか。

ソリマチ 私はディテールよりも全体の雰囲気を重視した世界観を大切に考えています。自分が憧れるスタイルが描けるのは楽しくて、ダブルのスーツも「自分が似合う年齢になっていければいいな」と思って描いていました。

赤峰 ファッションに力を入れだしたのはいつ頃からですか。

ソリマチ 描き始めた頃はキャラクター性を前に出したイラストを描いていましたが、雑誌『エスクァイア日本版』からファッションイラストのオーダーが来て、それからメンズファッション誌に描くようになりましたね。

赤峰 ファッションイラストを描き始めた頃はいかがでしたか。

ソリマチ 自分はファッションが大好きでしたが、格好良く決めたスタイルを描く難しさを痛感しました。赤峰さんがよく「楷書と草書」の違いをお話されますが、まずきれいに描くことが難しい。

赤峰 なるほど。僕は料理が好きなんですが、最近やっと白菜をうまく漬けられるようになったんですよ。料理も文字も「上手くやろう」と思うとできないもので、「気持ちで向かう」とできたりする。

ソリマチ それは赤峰さんが基本の「型」をご存知だからですね。

赤峰 「型をきれいにできる」ところから、次が「自分のアレンジができるか」なんです。自分は“服の医者”みたいなものですから、出来上がった服をその人のフィットに合わせていって、気持ちよくお召しいただくのが僕の役割です。

ビジネスマンにはスーツを着ることを楽しんでほしい

赤峰 ソリマチさんはサラリーマンのスーツの着こなしを見てどう感じますか。

ソリマチ 自分は制服的に着るスーツとは違って、“スーツ好き”なんですね。渋々スーツを着ていたり、スーツを着るのがイヤだなと思って仕事をしているのはとてももったいないと思います。「スーツを愉しむ」ことに積極的になってほしいと思います。

赤峰 多くのサラリーマンはクールビズを含めて快適さを求めていますよね。

ソリマチ そうですね。ただ快適さだけを求めると素っ気ない感じになると思います。スーツやジャケパンスタイルは着ていて面白いし、楽しい。きちんと向き合うと、その日一日が変わると思います。

赤峰 いわゆる「洗える、伸びる、軽い」という快適さだけを求めると、限りなく怠惰な方向に行ってしまう。どんどん人が本来持っている五感が鈍りますよ。五感が退化してしまって、良い意味での緊張感が希薄になるのはよろしくない。

ソリマチ サラリーマンの人には、土日も「ジャケットを着てネクタイを締めたいな」と思うぐらいスタイルを楽しんでほしいと思います。

赤峰 そういう男性には、奥さんや子ども、彼女が「カッコイイね!」と言ってほしいね。

「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちらforzastyle@kodansha.co.jpまで質問をお送りください。

ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

Photo:Shimpei Suzuki
Writer:Makoto Kajii

Author profile

梶井 誠
梶井 誠
Kajii Makoto

今はなき講談社のメンズファッション雑誌『Checkmate(チェックメイト)』編集部のファッション班を経てフリーランス。セレクトショップのカタログやメンズ雑誌のファッションページの取材・原稿を担当。SKE48箱推し、フィロのス・奥津マリリ推し、ジュビロ磐田サポーター。1961年福井県出身。

KEYWORDS
赤峰幸生

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