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LIFESTYLE 妻のトリセツ

逆気絶しないための【妻のトリセツ】§4. 言ってはいけない! その一言が、実は妻を絶望させている

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 ふだん何気なく夫が口にするセリフにも、妻をひどく傷つける言葉がある。その代表格が「言ってくれれば、やったのに」だ。夫にはまったく悪気がないので、傷つけている自覚なく繰り返すセリフの一つでもある。
 たとえば、こんな場面。妻が椅子に上って、廊下の天井の電球を替えている。そういえば、昨日切れてるって言っていたなと思い出す。心なしか不機嫌でもあるようだ。見かねて、「やろうか?」と声をかけると「自分でやるからいい」と取りつく島がない。
 しばらく経ってから「わかっているなら、やってくれたっていいんじゃない」と文句を言う。だから「言ってくれれば、やったのに」である。
 このセリフのどこが悪いのか、男性脳にはわからない。ここにも脳の性差が関わっている。

言わなくても察してほしい女性脳

 女性脳は、大切な対象に意識を集中し、ちょっとの変化も見逃さず、相手が何も言わなくても、何を求めているか、どうすれば相手が嬉しいか、その意図を察して生きている。これは、物言わぬ赤ん坊を育てるために女性脳に装備された能力だから、「察すること」イコール「愛の証」だと信じているのだ。
「察してなんぼ」の女性脳にとって、「言ってくれれば、やったのに」というセリフは、察することを放棄した言葉であり、「僕はあなたになんの関心もない」「あなたを大切に思っていない」と同義語なのである。

 男性脳は大切なものに対して、習慣的に責務を果たすことを旨とする。毎月給料を渡し、毎週決まった日にゴミを出し、毎日同じように帰宅する。これが男性脳が「妻を大切にしている」証なのだ。察する機能がついていない男性脳に察しろというのは難しい。「言ってくれれば、やったのに」は本音であり、思いやりでもある。しかし、このような場面で、言うべきなのは「気がつかなくてごめん。僕がやるべきだったね」だ。察したい気持ちを伝えるこのセリフは、ときには愛を伝える言葉にもなる。

 このほかにも、妻が絶望する夫のセリフをリストアップする。夫の意図とは関係なく、妻にどう聞こえるのかを解説しよう。もし心当たりがあるなら、妻の不機嫌は、このセリフのせいだと心得てほしい。

①「だったらやらなくていいよ」
家事が大変だと訴える妻に言うと、「君がいつもやっていることは、僕(あるいは世間)にとってはそれほど重要ではない。やらなくても気にならない」と聞こえる。

つまりこういうことだろ?」
愚痴に対しては「わかるよ。大変だね」と共感するだけで十分。頼んでもいない要約や解決策の提示は余計なストレスを増やすだけ。

③「おかず、これだけ?」
夫が自分が食べるご飯の量に対してのおかず量の塩梅を、あらかじめ計るために聞いたひとことでも、「たったこれしかないの?」と聞こえる。余計なことは言わずに様子を見よう。

④「今日何してたの?」
家事が思うようにできなかった妻には「一日家にいて、家事も満足にできないのか」と聞こえる。

⑤「いいな〜君は。一日〇〇(子どもの名前)と一緒で」
それが何より辛いと感じている妻もいる。そういう自分を責めていたりもする。

 以上のリストの中で、特に要注意は④と⑤だ。妻が専業主婦や育児休暇中である場合、このセリフは致命傷となる。出産前はコントロールできていた家事が、子どもの誕生をきっかけに、コントロールできなくなっているからだ。
 特に、優秀な専業主婦を持つ夫ほど、妻の家事労働の量や大変さに気づきにくい。プロセスを見逃す男性脳は、妻が要領よく家事をこなしていると、「本当に楽な仕事」に見えてしまう。それゆえについ、「専業主婦なんだから、時間あるだろ」「会社には、仕事しながら子育てしている部下もいるぞ」と言ったりしてしまい、傷を広げがちになる。

 仕事と育児を両立している主婦は、初めから家事を諦めることを知っていて、プライオリティの高いものしかやらないし、夫と分担することに罪悪感もない。しかし、専業主婦は、昼間はまったく思い通りにならない子どもに付き合い、家事も完璧にやろうとして追い詰められていくのである。

 photos:gettyimages

16万部突破!妻のトリセツ』著・編:黒川伊保子 定価:本体800円(税別)/講談社+α新書



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