エロさの秘密は、“トロットロ“の手触り
今回のコーディネイトは、僕の著書『世界のエリートなら誰でも知っている お洒落の本質』(PHP新書)のなかでも真っ先に紹介させていただいた、とっておきのスタイルです。触った途端、昇天してしまうほど“トロットロ“のカシミアスーツは、僕にとっての“一張羅”。余計な小細工なんかしなくても、それだけでもう十分エロいのです。

アイテム
スーツ/カスタムテーラー ビームス
シャツ/インダスタイル
ネクタイ/ブルネロ クチネリ
ポケットチーフ/ムンガイ
時計/カルティエ
バッグ/ペッレ モルビタ
靴/WH
(すべて干場私物)
ビームスのアルバイト時代の先輩、無藤和彦さんは、僕のお洒落の師匠のひとり。いつも何かと相談に乗ってもらっているんですが……。無藤さんが勧めるものって、たいてい“コンサバなのに、エロい”んですよ。実は、“エロサバ”のアイデアも、もともとは無藤さんのスタイルが着想のきっかけ。長年、お付き合いさせてもらっているうちに、僕のなかで“エロサバ”がスタイルとして醸成されていったんです。
ちなみに無藤さんは、ビームスのオリジナル“ブリッラ ベル イル グスト”のディレクター。僕が『LEON』編集部時代に、このレーベルを立ち上げたのですが、すごく玄人受けする服を作るんです。当時、オーダーしたミッドナイトブルーのストライプスーツは、あまりに好きすぎてパンツのお尻に穴が空くぐらい着倒しました。やっぱりフツーに見えるのに抜群にエロいんですよね。イタリアのカルロ・バルベラ社のカシミア生地で、品のいい光沢がある。それまでカシミアのスーツなんて着たことがなかったんですが、気持ち良すぎてホント卒倒しそうになりました。
そもそも無藤さんって、みんなが芝浦GOLDで夜遊びしていた時代に、ひとりで銀座のクラブに飲みに行くような人で……。その頃から、人と見ている視点が完全に違っていて、大人だったんです。頑張っている感じを絶対に出さないというのも無藤さんのポリシーで、靴もあえて磨かずに絶妙な枯れた感じというか、自身のキャラに上手くなじませるんですよ。無藤さんは「外見だけ目立つような中身がないヤツに、大人のオンナはついてこない」というのが持論で、昔からパッと見はシックな服で地味にまとめているのに、そこはかとなく立ち昇る色気があるんです。あれにヤラれちゃうんですよね(笑)。
話は脱線してしまいましたが、6年前にあのカシミアスーツの気持ち良さを思い出してビームスに行ったら、同じものはもうありませんでした。そこで、大好きだったブリッラ ベル イル グストの一着を再現するように、ジャケットは段返り3ボタン、チェンジポケット付きに、パンツは2プリーツにアレンジしてパターンオーダーしたんです。素材も、当時のものがなかったので、英国バウアーローバック社のストライプ入りのカシミア生地を選択。手触りは、なめらかを通り越して、もうトロットロです。これ触ったら、女性はみんなひっくり返りますよ。パンツなんか肌触りが気持ち良すぎて、まるで自慰行為(笑)。
このスーツには、白か水色の無地シャツを合わせて、グレーやネイビーやソリッドタイを締めることが多いですね。柄をあまり使わずに、落ち着いた印象に仕上げるのが干場流です。何たって、すでにスーツの素材が最高ですから、余計な小細工はいらないんです。ちなみに、ネクタイも100%カシミア製。結ぶとき、たまに気絶しそうになります(笑)。
バッグと靴、腕時計のレザー部分は、ダークブラウンで統一。はい、イタリアの伊達男たちがお得意の“アズーロ・エ・マローネ”です。ブラックもいいのですが、ちょっと堅苦しいイメージになってしまうので、僕のキャラだとこっちのほうがしっくりくるんですよね。ブラウンは温かみもあるし、かつエレガントに見えるので、このカラーリングは鉄板だと思いますよ。
今回のスタイルのキモは……。
● パッと見はフツーのストライプスーツ。
● でも、素材は極上。
● カシミアならではの光沢がエロさの秘密。
● 柄はあまり使わず、落ち着いた雰囲気に。
● 色使いは、アズーロ・エ・マローネを基本に。
Photo: kazuya Furaku
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba

【第79回】エロさの秘密は、“トロットロ“の手触り




















3冊目の書籍が発売中です。今回は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでない方はぜひ!
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「お洒落の本質」
(PHP出版)

【エロサバ】-Hoshipedia
「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。

『FORZA STYLE』編集長
干場義雅
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。
スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする小誌編集長。1973年、東京生まれ。
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