人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。
ミラノにて知り合いの店長に無理やり買わされた、珍しい逸品
人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。スタイリストの小沢 宏氏に続いて登場するのは、数多くのイタリアブランドを日本に紹介した成毛賢次さん。成毛さんが膨大な数を所有してきた中でも捨てられなかった服をご紹介する企画、第5回は「スメドレー for エルメス」のニットポロです。
この辺りのエルメスに関しては、僕の知り合いがミラノのショップで店長をやっていたので、義理で買ったものなんですが…(笑)。
昔から知り合いのイタリア人で、カリスマ性を持ったヤツだったんですが、ある日「今度エルメスで働くことになったから」なんて連絡がありまして。当時は、立ち寄る度に「あれ買ってけ、これ買ってけ」と勧められて、いろいろ買わされました。
ジョン・スメドレーとのダブルネームってことで今では珍しいんでしょうが、紹介されたときは「なんでオレが、スメドレー着なくちゃいけないの?」って抵抗したんですよ。でも、彼は「いいから着ろ」と、無理やり買わされたんです。
襟は大きめだけど、ボディもタイトだし、アームも細いから、エルメスがきちんと指示して作っているとは思うんですけど。襟の後ろには留めのボタンが付いてたり、みんな珍しがりますよね。
ジョン・スメドレーって自分の腕には合わない気がするんですが、これは思い出もあるからなのか捨てられなくて、ずっと残っていますね。
Photo:Riki kashiwabara
Edit:Ryutaro yanaka
成毛賢次元マニファットゥーレ・アッソチャーテ カシミア・ジャパン代表「マーロ」や「キートン」、「ルイジボレッリ」など数々のイタリアブランドを日本に紹介し、編集長・干場いわく"イタリアを持ってきたオトコ"。東京・押上で生まれ、小学生時代からオシャレをして銀座へと足を運び、みゆき族とともに遊んだという早熟ぶり。
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