女性目線で斬る シチュエーション別ストールコーデの極意
ファッション業界の賢人が編集長・干場に買わせたい逸品を価格帯別に紹介する連載第13回。今回、ご登場いただくのは雑誌『Oggi』編集長の守屋美穂さんです。お題はストール。この連載はじまって二人目の女性編集長がすすめるストールの中から、干場のお眼鏡に適う逸品は登場するのか!?
干場編集長(以下敬称略):この対談は今までいろいろな編集長やファッション業界の方に出ていただいていまして、皆さん、着眼点がとても面白いんですよ。今日は、どうぞよろしくお願いいたします。
守屋さん(以下敬称略):お声掛けいただきまして、ありがとうございます!
干場:守屋さんは、この連載でご登場いただくお二人めの女性編集長なんです。
守屋:そうなんですね。こういう対談、あまり今まで経験したことがないんです。田中杏子さんの次ということで、かなりプレッシャーですが……。でも、太田さんの回を拝見して気が少し楽になりました(笑)。
干場:太田っちは同級生なんです! ところで守屋さんと初めてお会いしたのは、『Domani』編集部にいらっしゃった時ですよね。
守屋:5年以上前ですね。干場さんには、一番最初はモデルとして誌面に出ていただいたんですよね〜。新宿でロケをしました。
干場:そうそう、そうでした。なぜか、僕がモデルで……(笑)。

守屋:それから連載をお願いしたり、エロサバ企画でいろいろ登場いただきました。先日は、『Oggi』誌面にもご登場いただきましたね。干場さんといえば「色使い」と「エロサバな着こなし」。取材をしたライターやエディターが、干場さんと話をすると、みんな凄い影響を受けて帰ってくるんです(笑)。干場さんは影響力絶大なんですよね。
干場:僕の提案は、かなりシンプルでベーシックなんですけどね。でも、男性目線で「こんな女性が、上品なのにエロさがあっていいです」とかバンバン言うから、女性には刺激的なのかもしれません(笑)。そんな無謀な提案をするファッションディレクターなんて、どこにもいないですしね(笑)。
守屋:しかもラグジュアリー。むやみに流行を追ってないのも干場さんスタイルなんです。『Oggi』でも本命彼女配色というテーマで、“モテマスター”として登場いただきましたしね〜(笑)。
干場:モテマスター! 新しい肩書ですよね(笑)。ところで『Oggi』の読者対象ってどの辺りなんでしょうか?
守屋:アラサーの働く女性です。言い方は古いですが、丸の内OLのような都市型の可処分所得の多い独身女性が中心です。
干場:一番、洋服にも興味が出てきて、お金も少し使えるようになった年代ですね! 例えば、ブランドものなどにも皆さん興味があるんでしょうか。

守屋:そうですね〜。最近の傾向としては、かなり向上心があって、転職や海外旅行、ショッピングなどに意欲的な方が多いです。以前は国内で温泉旅行っていうレジャーだったのが、今は年に1回バン! と海外に行きたいっていう方が多い。変わってきていますね。
干場:今って、女性の方が断然アクティブですよね! 男性ってそんなにお金使ってないんじゃないかなあ〜。昔のように、バンバンお金を使って、上昇志向の強い男の人って、少なくなった気がします。
守屋:そうですね。その点、女性たちは海外ブランドのバッグや靴が、やっぱり好きなんですよ。
干場:例えばどんなブランド人気なんでしょうか。『Oggi』の読者は、割とシンプル&ベーシックなイメージがあるんですけど……。

守屋:甘いというよりは、シンプルな中に少しモード感があるスタイルですね。バッグであげると、プラダが人気です。靴はジミー・チュウやセルジオ・ロッシのパンプス。服はセレクトショップという感じです。どちらかというと、ミラノっぽい志向ですね。パリほど甘くないし、ニューヨークのようにモードすぎない。
干場:なるほど、わかりやすい! ではそろそろ本題に迫ってみたいと思います。今回はストールというお題だったんですが、どんなものをお持ちいただいたのでしょうか。
守屋:はい、干場さんにおすすめするというのは、なかなかハードルが高いのですが……。でも、これ茶番なんですよね!?(笑)。
干場:いやいや、茶番じゃないですよ! 太田っちがそう言っていただけで(笑)。では、梅からお願いいたします。
守屋:あ、そもそも論なんですが、干場さん、ストールなどの巻物ってしますか?
干場:しますよ! 持っています。冬はしますね、普通に。あと飛行機に乗るときとか。
守屋:そう、やはり冬なんですよね。実用品として身に着けていらっしゃるんですね。でも、そんな干場さんに今回はお洒落として身に着けていただきたいと思って、そんなストールをお持ちいたしました。一番目は、無印良品のストールです。2900円になります。

干場:え、これ、無印良品なんですか!?
守屋:無印良品って、こういう小物系がとても上手なブランドなんじゃないかな、と思っているんです。
干場:こういうのっていうのは?
守屋:風味というか風合いの出し方が上手いんですよね。このメランジっぽい感じや切りっぱなしのフリンジ具合、肌触りなど、とても凝っているんです。
干場:この素材は何ですか?
守屋:オーガニックコットンです。高級なTシャツにコレを巻くっていうのがいいかな。例えば、太田さんとの対談で出ていたプラダのTシャツにこれ。このストールって匿名性があるところもいいんですよ。干場さんって、ブルーとかネイビーのイメージなので、これはお似合いになりそう。無印良品ってこの絶妙なブルーの色出しが上手いんです。これはぜひ、海に行くときに巻いて欲しいですね。
干場:合わせるTシャツの色は何色がいいですか?

守屋:あまりコントラストをつけないほうがいいかと。ブルーとかどうでしょう。ボトムはショートパンツで。もしかしたらシャツを羽織っていてもイイかもしれませんね。そんな恰好にこのストールをサラっと巻いて現れると素敵! あと、海って結構、べたべたするじゃないですか。これなら洗濯フレンドリーなのがイイ。砂もあるし汗もかくから、あまり高価なストールは巻きたくないんじゃないかなぁ、と……。
干場:なるほど~、確かに! 理に適っていますね。
守屋:『Oggi』なので、かなり実用的なお話しになってしまいますね(笑)。1回巻いてクリーニングっていうのも……ですし。
干場:なんか、このストールは、イタリアのリゾートとかで売っている感じですよね。カプリとか、アマルフィとかに売ってそうです。
守屋:「あれ、干場さん、夏なのにストール巻いているなんて珍しいですね。それ、どちらの(ブランドの)ものですか?」って聞かれますよ。で、実は無印良品っていう意外性。

干場:そう言われと、これ、巻いてみたくなってきた! 女性にそういう風にすすめられると、弱いよね〜、男って。男の人に言われても全然動じないけど、美女には弱いっていうか(笑)。
守屋:そうですか〜。でもこれを使ってサマになるのは、干場さんですよね。顔でこなせるというか。
干場:顔でこなせる……??? それに対しては、うんって頷けないんですが……。どういう意味でしょう?(笑)
守屋:巻物も目の色に合わせるとか髪の色に合わせるとかあると思うんですが、干場さんはそういう枠外(笑)。
干場:(爆笑)。今回もまた面白い発言が炸裂しますね。そういう風に見られていたんですね〜。

守屋:安いものって、ぺっちゃんこになってしまったりするんですが、これはふんわりも巻けます。粗っぽい織りが、逆にとても良いんです。これは雑に使うっていうのが、かっこいいんじゃないかな。
干場:梅の提案から、いきなりきましたね。これ買おうかな……。いきなり気絶しそうになってきました。では、気を取り直して竹の提案をお願いします。
守屋:ジョンストンズのストールです。ジョンストンズはスコットランドの老舗ブランドですが、冬のカシミアストールが『Oggi』読者の大好物なんです。

干場:ジョンストンズのストールってすごい大判のやつですよね? 気絶級のカシミア素材なのにあの価格って安くていいですよね。
守屋:そうなんです! それの春夏版でサラっとした感じに仕上げたのが、こちらです。これは干場さんの飛行機内用にぴったりかと。ざくざくした質感ですが、きちんと作られていて保温性があるんです。
干場:こちらの素材はなんでしょう?

守屋:メリノウールです。Tシャツに巻いても素敵なんですが、旅先で夜肌寒いときなどにスーツスタイルに巻いても合うと思うんです。ジャケットのインにちょっとピッと入っていたりすると、お洒落だな~と思います。干場さんにはこのアイボリー系の色味がお似合いになると思います。お顔立ちがはっきりしていらっしゃるので、薄い色味の巻物がお似合いになるな、と。
干場:なるほど……。ちょっとこれからはアイボリーをチェックしてみます(笑)。アイボリーか〜。取り入れたことないですね! カシミアのコートくらいでしょうか、持っているものと言えば……。
守屋:本当ですか!? でもコートとはお洒落ですね、さすが。ふかふかのアイボリーのストールはとても素敵なんですけれど、御所感(ごしょかん)がすごい出る。
干場:なんですか、御所感って!?
守屋:大御所感ってやつです。カシミア素材のアイボリーの大判ストールだとたっぷりしすぎていて、貫禄が出過ぎてしまう。でも、夏のアイボリーは、つるっとした白でなく、ザラっとした白なのでもう少し軽い感じになります。旅先での夜のひんやりした空気の中、ちょっと白を挟んだジャケットスタイルが素敵ですよね。下はデニムなどでもいいかもしれませんが、スーツにも合う、というのが限りなくお洒落な気がします。
干場:なるほど、女性の目線ってすごいですね〜。そんなこと考えたことありませんでした。参考になります。

守屋:垂らして巻いて、マリンっぽいイメージにしても素敵ですよね。グレーっぽい色のボーダーなのでネイビーや黒にも合う、便利な配色もいいんです。畳むととてもコンパクトになるので、ポンっとバッグに入れて携帯すれば、旅先や機内で便利です。
干場:女性って、春夏、秋冬関係なくストールって持っているものですか?
守屋:好きですね。ただ少し前までのストールブームがひと段落して、今はスカーフが人気ですね。
エルメスからもたくさん出ていますが、シルクとか人気があります。
干場:ジャージ素材のもありますもんね。先日、僕も祇園のエルメスでディップダイをしていただきました。エルメスはやはり素材が違うんですよね。確かに、今、女性でスカーフしている方多いかも。
守屋:そうなんです。スカーフ人気が再燃していて、手首に巻いたりバッグに付けたりというのも『Oggi』では提案しています。

干場:でも、スカーフって取り入れ方が難しくないですか?
守屋:ただ巻いてるっていうだけになっている人も多かったり、そのスカーフ洗いましょうよ、みたいな方もいらしたりして。メンテナンスもきちんとして欲しいです。手首巻きは確かに高度なんですが、あれを初めて見たときは衝撃でしたよね。
干場:エルメスのスタッフの方たちが巻いているのを見たり、巻いていただくと妙に納得して帰ってくるんだけど、自分で巻くと、えっ!?って感じになったりして。相当、難易度が高いアイテムです。ヘアースタイルとかとのバランスもあるんでしょうね。(スカーフ以外は)シンプルにまとめたほうがいい気がします。
守屋:特にエルメスのスカーフは難しいアイテムだと思います。
干場:スカーフの中の1色を拾って、服を選ぶとか。白いシャツと黒いパンツにエルメスのスカーフとか。他の部分には、引き算が必要ですよね。

守屋:そうですね。でもエルメスのスタッフの方って、その人に合うスカーフを選ぶのが本当に上手い。そんな方たちがたくさんいらっしゃって、自分で欲しいスカーフを引っ張り出していても、「それも素敵だと思うんですが、これ、いかがですか?」なんて出してきてくれた一枚がものすごくハマっているということが多々あるんですよ。エルメスでお買い物をするってこういうことなんだ、とわかります。
干場:一瞬にしてパーソナルスタイリングされているってことですよね。
NEXT>>>守谷編集長一押しのヤラしいストール
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