スーツにクロムハーツがカッコ良かった。それはもちろん、不動産屋的なスタイルではなく!(笑)
さて、第23回めはクロムハーツのアクセサリー。シルバーアクセサリー界のキング オブ キングスですね。1991年、コム・デ・ギャルソンの青山店に入ってきて、宇崎竜童さんがライダースやら何やらを派手に買って、バイクで颯爽と帰って行ったってな話は、後に仲の良いスタッフさんに聞きました。
その後は、ユナイテッドアローズが取り扱いをスタートし、藤原ヒロシさんを筆頭に原宿な方々がリングやウォレットチェーンを着けてる姿に憧れ、トランペットを眺める少年のように店舗のショーケースと にらめっこする日々が続きました。
そんな中、購入を決定づけたのは、ユナイテッドアローズの現会長である重松さんがスーツにクロムハーツを合わせている姿。それはそれはカッコ良く、スーツにクロムハーツがあんなにもハマるものかと、文字通り稲妻を喰らったが如く衝撃が走り、清水ダイブでキーパーリングを買ったんです。
でも、写真:右に写ってるキーパーリングは、実は二代目。初代は、かつて居酒屋で飲んでいた際、酔ってハズしてテーブルに置いたまま店を出てしまったら、あっという間に行方不明。酔うと指輪ハズしちゃうよねぇ〜……と、相当落ち込み、「指輪=なくすもの」というプチトラウマが植えつけられ、しばらく購入を控えていました。
そんなこんなで月日は流れ、なんとか結婚。出逢って10年なんていう節目がやってきたとき、ひょんなことから「ダイヤモンドがひと粒入ったリングでも交換し合おうか」なんて話に。
それじゃあと、自分からはバーニーズ ニューヨークのみで取り扱いのあるマルコム ベッツ(MALCOLM BETTS)を、奥様からは写真:中央のダイヤが輝くフローラルクロス リングを贈っていただきました。スイート10なんちゃらってヤツですね。我ながら甘〜い!
さすがに、コレをなくすわけにいかないので、つねに指に集中。酔ってもハズさないって意識を高く持ってたら、意外になくさない。ならば!ってことで二代目キーパーリングを購入し、ダイヤ入りのフローラルクロスは右手の小指でピンキーリング的に、キーパーは左手の中指にする日が続きました。
でも、周期ってあるんですかね? どうしても飽きるんですよ、長いこと着けてると。パッタリと着けなくなって、たまにスカーフ巻くときにスカーフリングとして使うなんていう、なんとも贅沢な使い方をしてみたり。
写真:下のクロスボール チェーンなんて、せっかく先輩から譲っていただいたのに、今じゃアクセサリーボックス内で常にとぐろを巻いてるっていう…。まさに、宝の持ち腐れ。こりゃ、良くない。
だから、もう少し歳を重ねて、白髪の増えたジィさんにでもなったら、再度サラッと着けてみようとは思ってます。

故・カール大帝のようなヤリ過ぎには、気をつけながら(笑)。
Photo:Ko Maizawa
Text:Ryutaro Yanaka

『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎
さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。