いまのハードな気分にマッチするけど、どう使おう?
自分の軸をなしているスタイルがいくつかあって、数年タームでマイブームがやってきます。でもブームが去ると、ブランド古着のセレクトショップ「RAGTAG」などに買い取ってもらうのですが、どうしても手放したくないものってありますよね。
そういうものは、とりあえず箱に入れて保管……。ところが、その数が多くなりすぎて、ここ数年、何を入れたかわからない箱が大量発生する事態に陥っていました。
そこで、コロナ禍の外出自粛生活で時間をもてあましているうちに、断捨離でもしてみようという気持ちになりまして……。思い切って、片っ端から箱を開けてみたわけです。
なかには、なんでこんなのを取っといたんだろう、というものもあったのですが、これが出てきたときには懐かしい気持ちが半分、久々に使ってみようかなと思ったのが半分……。少し前から言っている通り、コロナのせいもあって、いまはハードなデザインに惹かれているんですよ。
懐かしい思い出といえば、これと一緒に発見したドッグタグは、1999年のクロムハーツ南青山店のオープン記念品。当時は『LEON』編集部に在籍していて、一緒にオープニングパーティに行った、ロック福田さんが、とてつもない金額のジャケットをその場で買ったのに驚いた記憶があります。この財布とウォレットチェーンは、それより前に入手したものだから、かれこれ25年くらい前のものでしょうか。
ウォレットチェーンは、スーツに合わせたらカッコいいかもと思って、試しにスラックスのベルトループに装着してみたのですが、ダブルクリップで重すぎてループが壊れそうだったので、このアイデアはNGの予感。
長財布はデニムのヒップポケットにと思っているのですが、昔そうやって使っていたらスタッズ部分がこすれてポケットに穴が開いたのを思い出しました(苦笑)。そんなわけで、どうやって使うのかは これからじっくり考えてみます。
クロムハーツとの出合いは、僕が編集者として第一歩を踏み出した20歳のころ。『MA-1』や『モノ・マガジン』時代に、ブランド創立者のひとりであるリチャード・スタークにインタビューしたり、僕のお洒落の師匠のひとりであるスタイリストの野口強さんが溺愛していたりと、思い入れはひとしおなんです。だから、どうしても手放せない……。
いまだったら、どうやって着けるのがいいのか、もう一度研究してみます。
Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:Toshiaki Ishii