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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE

【連載】格闘家の入場曲【SAMURAI JOURNEY】
Round 3
ボクサー輪島功一×『Lights Out March』(某テレビ局 スポーツテーマ曲※当時)

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男は戦いの場において、培ったリズムでトリックを生み出す。

『FORZA STYLE』読者の皆さん。サムライ平岡です。

昔、スポーツ番組で流れていた『Lights Out March』という曲を覚えていますか? 『FORZA STYLE』世代なら一度は耳にしたことがあるはず。この曲は、80年代半ば、スポーツ番組のテーマ曲や運動会の入場曲としても使われていたものです。

ということで第3回目は、意地と情熱の炎を絶やさず、今も戦い続けるレジェンド。輪島功一さんにご登場いただきます。人呼んで「炎の男」。入場曲は、『Lights Out March』です。

輪島さんは、ボクサーとしては遅い25歳の時にデビュー。3年半という、当時としては異例の速さで世界チャンピオンに上り詰めた伝説のチャンピオンです。「カエル飛びパンチ」や「よそ見フェイント」など、独自のスタイルで対戦相手の意表をつく戦い方を取り入れ、歴戦の猛者たちに立ち向かっていきました。そんな、さまざまな逆境を跳ね返してきた輪島さんに、入場曲はもちろん、今の時代を戦い抜くヒントを聞いてきましたのでご紹介致します。

「正直、曲名は覚えてないんだよね~(笑)。でもね、あの曲のリズムが好きなんだ。リングに上がる気持ちが上がるからね。入場曲に限らず音楽を聴くことはリズム感を養うのに大事。だから毎日いろんな音楽を聞いてたよ」

輪島氏の戦いは独特だ。相手に合わせることなく、常に自分のリズムで相手を飲み込む。日々、自分の好きな歌を聴いたり歌ったりしながら、リズム感を養い、リング上で独自のリズムを表現していたのだ。

「最近、本当のことや、ハッキリものを言う人がいなくなったよね。言われたことをやってるだけでは、当たり前なんだよ。当たり前の先に、自分の特徴(輪島さんはリーチが短いなど)や器を理解することが、今を抜け出すヒントとなるんだ。理解した上で、自分には何が出来るかを悩みぬき、相手と駆け引きをする。これがリズムなのさ」

「駆け引き」というと日本では悪くとらえる人がいるが、輪島氏からするとそれは違う。駆け引きとは相手の長所を理解した上でその長所を使うこと。そうすると不可能が可能になることがあるという。

確かに、ローマ五輪銀メダリストの世界チャンピオン、ボッシとの試合時もそうだった。技巧派の相手とまともに戦っては勝てないと思い、相手の意表を突いて「カエル飛びパンチ」を試合中に出し、技巧派チャンピオンのプライドに火をつけ、自分のリズムに持ち込み勝利した。技巧派という相手の長所を利用して、独特のリズムでトリックを仕掛けたのだ。

世界チャンピオンへの道は、技術や体力だけでは到達できない。そこに輪島氏の発想と閃きというリズムがシンクロし、チャンピオンベルトを勝ち取ることとなったのだ。輪島氏は入場曲『Lights Out March』が流れる中、闘志を極限まで高め、練習のおさらいをした。リングイン時には怖さはなく、意地でも勝つという気持ちでいたという。

「少しでもチャンスと思ったらお金は後回し。そうしないと次にチャンスがいつ来るかわからないからね。そのチャンスを意地でもつかみに行くんだよ。それが〝 今 ″に繋がっているんだ」と笑いながら話してくれた。

仕事やプライベートでも相手の長所を理解し、その上に発想と閃きを重ねる。すると自ずと道は切り開ける。日々聴いている音楽がさまざまな戦いの場でシンクロし、独特のリズムとなるに違いない!

Photo,Text:Samurai Hiraoka

【プロフィール】
サムライ平岡

格闘技と長渕剛をこよなく愛す昭和49年生まれ。
宮本武蔵の「万里一空」という言葉に感銘を受け、サムライ平岡と名乗っている。
出没場所:後楽園ホール。

【取材場所】
輪島功一スポーツジム
東京都杉並区松庵3-32-11
03-5370-8458
http://www.wajima-gym.com/



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