デローザのバイクはなぜエレガントなのか
1953年にミラノで創業したロードバイクメーカー、デ・ローザ。創業者であるウーゴ・デ・ローザ氏を中心としたファミリーカンパニーで、イタリアらしい洗練されたデザインのフレームは世界中のサイクリストの憧れだ。そのデ・ローザが、2016年モデルにおいて夢のコラボレーションを実現した。相手はトリノに拠点を持つカロッツェリア、ピニンファリーナ。フェラーリから生活用品に至るまで、さまざまなプロダクトのデザインを手掛けるグローバルカンパニーである。共に北イタリアの企業であり、リスペクト為合う両社が、持てるテクノロジーとデザインを高い次元で具現化。その結晶がニューモデル「SK Pininfarina」だ。

「エアロダイナミクス(空力)に優れたロードバイクを提案しようと考えていたとき、たまたまピニンファリーナも同様の考えを持っていた。お互いのタイミングが合って実現したのです」と、ウーゴ氏の子息で現在は経営を担うクリスティアーノ・デ・ローザ氏は語る。
「SK Pininfarina」は、ピニンファリーナ社内にある風洞トンネルで空力実験を重ねて作られた、最高の空力特性を持つレーシングバイクである。しかしもちろん、空力のみに注力したわけではない。
「デ・ローザはイタリアのメーカーです。新しいフレームを作る上で技術と同じくらいデザインが重要。ピニンファリーナも多くの優れたデザインの工業製品を作っています。互いの力で“空力”と“デザイン”を上手く化学反応させた結果、デザイン的にも最高のフレームを作ることができたのだと思います」
デ・ローザのバイクはエレガントである。SK Pininfarinaが有するホリゾンタルスタイルのフレームや、シンプルなカラーリングから滲むエレガントさは、まさにイタリアンデザインの真骨頂。そんなデ・ローザのデザイン哲学は「心」だと、クリスティアーノ氏は強調する。
「フレームを作る際、エンジニアが機能を重視し設計したものを基にカタチにするのが一般的ですが、デ・ローザは違います。まず、『心からこういうデザインのフレームを作りたい』という思いからスタートします。その後で機能的な部分を詰めていくのです」
創業から培われた考えやイメージ、すなわち「心」を非常に大切にしているという。「機械を使うと正解は1つしか生まれない。しかし、自分たちの心を基に導いていくと、複数のものがカタチとなって生まれてくる」……なるほど、デザインに限らず、これこそがデ・ローザのモノ作りにおける哲学なのかもしれない。
「デ・ローザには、スタッフ皆で意見交換を重ねることで、より良いものを作っていくという伝統があります。そこには当然、デ・ローザの歴史や伝統、スピリットが加味される。その結果、デ・ローザのバイクをエレガントたらしめる“文化”が築き上がるのだと思うのです。何よりも重要なのは、皆で考えたものを皆でカタチにすることだと考えています」
ファミリーと伝統を大切にし、長い年月で培われた技術を継承する“デローザ・スピリット”は、どのように育まれ、受け継がれているのだろうか。

「特別な教育をしているわけではありません。父(ウーゴ氏)から私たち息子に自然と伝わり、それがまたその息子に伝わることで継承されていくのです。歴史や経験はとても重要。すばらしい過去の歴史と経験があるからこそ、すばらしい未来が導けるのですから」
最先端テクノロジーと、伝統を重んじるデローザ・スピリットの融合により誕生したSK Pininfarina。機能とデザインが高い水準でバランスする、ある意味欲張りなこのロードバイクは、スタイリッシュで余裕のあるイケフォーに相応しい、至高の一台だと言えよう。
Text:Haruna Sanzai
Photo:Tatsuya Hanamura
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伝統の品質と職人の魂によって生み出されるハンドメイドフレームは人々を魅了し続けています。下記動画から制作現場をご覧いただけます。
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