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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE Special Talk

ラグビーの偉人
大野均と五郎丸歩
「戦士たちの衣装」

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不惑なんて信じない
好きなことを続ける

まさかラグビーを見て泣くとは。FORZA読者の中にも、そんな嬉しい誤算を味わった人が少なくないだろう。

2015年9月、日本スポーツ史に大書される偉業を成し遂げたラグビー日本代表のLO大野均(37)は、192㎝、106㎞の巨体を少し揺らせて、茶色い瞳で笑う。

「最近、よく『中年の星』なんて言われるんですが、まだまだ若い後輩には負けません」

実家は福島県の酪農などを営む兼業農家で、高校までは野球部一筋。日本大学工学部に入学後に楕円のボールを手にし始めた遅咲きだ。「24時間ぶっ続けで飲む」など、ラガーマンらしい伝説にも事欠かないが、「キンちゃん」という相性が示すようにその人柄は愛嬌の塊である。

満員の観客を前に、和やかな雰囲気で進んだトークショー。まさに大野氏は「時の人」だ。


都内で行われたトークショーの後、キンちゃんのファション観についてプロデューサーが直撃取材すると、無茶ぶりにもかかわらず真剣に言葉を紡いでくれた。

栗原P:大野さんといえば、ロングヘアとアゴ髭がトレードマークです。ゆるいウェーブがセクシーですが、お手入れはどちらで?

大野これは天パなんですよ。

栗原P:そ、そうなんですか?

大野:手入れは適当に。野球をやっていたときは短く切っていたんですが、手入れもラクなので、もうずっと伸ばしています。

栗原P無造作の極地ですね。お髭はきれいに整えていらっしゃいますね。

大野:外国人のチームメイトがこのスタイルだったので、カッコいいなと思って影響を受けたのがきっかけです。こだわりとか、そんなのは特にありません。

栗原P:今日のスーツもバッチリ似合っていますが、こちらは日本代表のものですね。オフの日はどんなスタイルが多いですか?

大野:普通にジーンズにTシャツが多いです。これからの季節はダウンジャケットも好きですね。カジュアルなスタイルが性に合っています。

栗原P:最近お気に入りのブランドはありますか?

大野:(遠い目で)そ、そうですね~……。友人からもらったウノ ピゥ ウノ ウグァーレ トレというブランドが好きです。

栗原P:すみません。ウノ、ウノ?

大野:ちょっと書きましょうか? こうです(サラサラとイタリア語で)。イタリア語で『1足す1は、3』という意味なんですよ。とてもシンプルなデザインで、生地が凄くよくて、とても着心地がいいんです。デザインも重要ですが、服を選ぶとき、最も重視するのは着心地ですね。

肉と骨を思い切りぶつけ合う戦士だからこそ、オフの日は上質な肌触りを求めるのかもしれない。そんな大野氏はいま、4年後、いよいよ日本にやってくるラグビーワールドカップを見据えている。そのとき、41歳。肉体的な衰えは覚悟の上だが、出てくる言葉は潔い。

「自分は20代の頃から、大好きなラグビーを愛情ゆえに思い切りやってきて今に繋がっています。40になると、不惑と言われる年齢ですが、落ち着くのではなくて、もっともっと上を目指していきます

若さで走った20代、がむしゃらな30代、その先の40代が急に不惑だなんて道理がおかしい。日本が誇るレジェンドの言葉は、くたびれた中年男性の背中を優しく押してくれる。

Photo:Tatsuya Hamamura
Text:Yoshihide kurihara

トークショーは、今年8月に「釜石の夢 被災地でワールドカップを」(講談社文庫)を上梓した、東北出身のラグビージャーナリスト、大友信彦氏との対談形式で行われました。大友氏の著書の中にも、大野氏は描かれています。
「釜石の夢 被災地でワールドカップを」(講談社文庫)
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062931663

 

そんな大野氏とともに、大注目を集めたのが五郎丸歩選手だ。「五郎丸ポーズ」が流行語にノミネートされるなど、2015年を代表する人物となった五郎丸氏の私服スーツは、一部のラグビーファン以外には、あまり目にされていない。FORZAが入手した写真には、編集長の干場義雅も絶賛する「戦士の美しさ」があった。

五郎丸のスーツの着こなしに続く⇒

 



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