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FASHION

【連載】カルロ黒部の
GENTLEMEN'S STYLE
第10回 ジェレミー・ハケットさん 前編 

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いよいよ、Mr.Classicの登場です

「カルロ黒部のGENTLEMEN’S STYLE」第10回目はジェレミー・ハケットさん(HACKETT LONDON創業者兼現会長)の登場です。

ミッドナイトブルーのアストンマーチンDB5の前で迎えて下さったハケットさんは、ブラウンのヘリンボーンツイードジャケット、トープカラーのブラッシュドコットンの1プリーツ、サイドエクステンショントラウザーズ、イートンブルーのペンシルストライプ、ブロードクロスシャツというクラシカルな英国紳士のジャケットスタイルでした。

ハケットさんに、洋服を着こなす際に大切にしていることを伺うと次の3点を挙げられました。
1.グッドクオリティ
2.シンプル
3.アンダーステートメント
声高に主張はしないが、さりげなく静かに自分らしさやキャラクターを表現することを述べられました。



例として挙げられたのは、スーツの袖口のターンバックカフスのようなディテールや、英国紳士がダークスーツに赤いソックスを合わせることなどです。流行は追わず、スタイルを進化させるという哲学を感じました。

ハケットさんの着こなしは、まさにこのアンダーステートメントを体現するものでした。

一見すると分からないのですが、サヴィル・ロウで典型的な1ボタンサイドベンツジャケットの3パッチポケット部分だけ水平にカットされて付けられているのです。英国らしい遊びやユーモアを感じるディテールです。

ラペルのフラワーホールは約1インチで生花のブートニエールが挿せるようになっています。裏側には茎を止めるフラワーループが付いています。手縫いで仕上げられたクオリティの高さを感じます。襟元のラペルピンはThe Derbyです。The Bowler、The Cokeとも呼ばれる英国紳士愛用のハットがアイコンなのです。

袖回りにもこだわりが満載です。時計はお母様から譲り受けた1963年製のROLEX EXPLORER。小さめの口径が実に上品です。

シャツのバレルカフスは2ボタンで、アイコンでもあるジャケットの2+2ボタンと調和しています。特徴的な2+2ボタンの配置はコールドストリーム ガーズ連隊(Coldstream Guards)の制服に由来しています。

1650年イングランド共和国に設立されて、イングランド内戦では陸軍、第一次英蘭戦争では海軍の部隊として戦い、継承して任務に就いている連隊では世界最古です。現在ではロンドンでの衛兵、儀仗任務もしています。“Nulli Secundus”(何者にも劣る事無し)がこの連隊のモットーです。紳士服のルーツはフォーマルとミリタリーです。細かいディテールにもハケットさんの深い知識と造詣を感じます。

次回、後編では、驚くほど魅力的なディテールの数々を紹介して参ります。どうぞご期待下さい。

Text:Carlo Kurobe

カルロ黒部(黒部和夫)
カルロ インターナショナル代表 ファッションコンサルタント ファッション評論家。1958年外交官子弟として駐 インドネシア日本大使館で誕生。1983年オンワード樫山入社後、メンズ企画部門を歩む。2014年同社退職後、カルロ インターナショナル設立。国内外のファッション企業のコンサルティングおよびPR業をはじめ、ファッション評論や公演で活躍中



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