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【FRでMTありの300ps】トヨタが目指したイタ車「ヴェロッサ」なぜ3年の短命で終わったのか

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■走りも楽しめるパワートレインとレーシーな雰囲気も特徴的

そんなヴェロッサには、2代目アリストや10代目クラウンに採用された後輪駆動用プラットフォームを使用した2.5Lターボをはじめとする全車VVT-i(連続可変バルブタイミング機構)がラインアップ。トランスミッションは5速ATの他、5速MTもあり、スポーティな走りを楽しむこともできました。基本的にはFRですが、2.0Lエンジン搭載車には4WDも用意されていました。

スポーティな高級セダンという雰囲気のヴェロッサのインテリア。アルミプレートのペダル類、赤色照明でレーシーな雰囲気を演出

ドライバーズメーターは大型の3眼タイプで、立体的なリングとメタリックな表面処理、赤色照明の採用でレーシーな雰囲気に仕上げられていました。スカッフプレートをメタル調に、ペダル類やフットレストの表面もアルミプレートが装着され、スポーティな仕上がりに。

2002年1月には、トヨタのカスタマイズパーツブランド「モデリスタ」が手がけた特別仕様車「スペチアーレ(イタリア語で「特別な」という意味)」も登場しました。なかでも、ヤマハ製の専用ターボを装着した「VR25 SG」は胸アツで、最高出力は300ps、排気系やサスペンションにも手が入った、さらにエモいクルマに仕上がっていました。

 

■ヴェロッサの強烈な個性をしても、セダン離れの流れは変えることができなかった

80年代〜90年代前半まで爆発的に売れた、いわば中堅セダンの代表モデルである、マークIIの兄弟車チェイサー/クレスタの後継車という位置づけで登場したヴェロッサには、当時すでに下火になりつつあったセダン人気の高揚という大きな役目がありました。

RVブームによってSUVやミニバン、クロスオーバーモデルに流れつつあった若者の興味をセダンに呼び戻すには、ヴェロッサのような個性が必要だ、とトヨタは判断したのでしょう。

2003年にはグリルのデザインなどを変更してブラッシュアップ。「エクシード」という普通(?)の名前の特別仕様車も設定されてテコ入れがなされたものの、販売は振るわず

トヨタとしてはかなりの意欲作だったのかもしれませんが、強すぎる個性をもつヴェロッサをしても、セダン離れの流れは変えることができず、ヴェロッサはわずか3年弱という短命で生産終了となってしまったのです。

しかしながら、ヴェロッサは、運動性能や高級車としての機能、装備はたしかなモデル。手ごろな価格となったヴェロッサのターボマニュアル車を手にいれて、ドリフトのベース車両として活用している人もいるそう。

年式的に程度のいいモデルを見つけるのはかなり難しいですが、人とは違う個性的なクルマに乗りたいという人にはお薦めのモデルです。ぜひ程度のいい中古車を見つけ、カーライフを楽しんでほしいと思います。

Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo:TOYOTA、STELLANTIS
Edit:Takashi Ogiyama



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