裕紀さんはもはや、解決策や対策などを考えられなくなったそうだ。
「教育格差すらも、彼らは言い訳にしてしまうので、同情すべき点なのか、私は迷っています。考え方が古いのかもしれませんけど、『蛍雪の功』ですよ。どんなに金銭的に恵まれていなくても、方法はあるはずです。
でも、その方法を探さずに、『親のせいだ』『環境のせいだ』と言って頑張ろうとしない子どもたちは、本当に教育格差の被害者なんでしょうか」
世の中には、どうしようもない苦境に立たされている子どももいる。ただ、それほどの苦境に立たされているわけではないのに、「楽をしたい」という一心で、自分の家庭環境や状況を言い訳にして逃げる子どももまた、いるのだろう。
そんな子どもの言葉を盲信して、教員に対して攻撃的に振る舞う保護者の対応に追われていれば、裕紀さんのようなことが言いたくなるのも仕方がないのかもしれない。
一方、懸命に状況を変えようとしている雅美さんは、同僚たちの状態にも悩んでいると話す。
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