「三女に、お母さんがちゃんと謝らないとお父さんを他の女の人に取られちゃうよ、と言われました。すると、長女は『あのセンスを好きになる人はそうはいないから大丈夫』とこの期に及んで言ってました。さすが反抗期ですね。でも、満場一致で私がきちんと謝り、今後は言葉に気をつけるという話でまとまりました」
留美子さんはその後、夫に対し、心からの謝罪をした。
「たくさん話をしたんですが、夫は自分でも理解できない気持ちがあると言っていました。留美子からイジられても何とも思わないのに、娘にダサいとか言われたり笑われたりすると、昔は平気だったのに最近本当に泣きそうになると」
2人の関係は徐々に元に戻った。留美子さんは娘たちがいない所で夫のコーディネートをジャッジするようになったという。自然な流れで、娘たちは父親のコーデが気に入った時だけ言葉をかけるようになった。
「イジるのが悪いんじゃなくて、そこで笑いとコミュニケーションが成立しているのはいいって夫は言うんです。むしろ、留美子の突っ込みは面白いよと。今回私もいろいろ学びました。今後はバランスを考えて彼のファッションにつき合います(笑)」
留美子さんは、夫婦関係や家庭の雰囲気も、段階に応じてアップデートする必要がある、と実感を込めて語った。夫婦でも親子でも、その関係は水もの、なのかもしれない。
取材/文 中小林亜紀
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