「たぶん、自分が一番正しいとか、彼のことなら何でもわかってるとか、そういうおごりがあったように思います。彼の気持ちを考えてあげようなんて微塵も思ってませんでした」
夫は留美子さんの反省のなさを嘆き、さらに態度を硬化させたという。
「その日を境に、いつも笑いが絶えなかった我が家は一変してしまったんです。私も意地になってろくに口も聞かない感じになり、娘たちも動揺していました。
次女や三女は『お父さんにごめんねって言ってきた』などと報告してきましたが、長女は反抗期もあって『ダサいもんはダサいって』と開き直ってましたね。私はまずいことになったと思いつつ、今さらごめんねと言えなくなってました」
夫は出勤前、スーツに着替えた後で留美子さんにチェックしてもらう習慣をやめた。また、日常着も同様に、留美子さんや娘たちに見せることもしなくなったという。
「凄く変わった柄のトレーナーを着ていることとかがあって、『またやらかしてるな』と思っても、もう突っ込むこともできないし、逆にボーダーのTシャツに綿パンを合わせた時などはシンプルで爽やかでいいな、と思っても褒める機会もなくなりました。
夫は夫で私たちの反応がなくなったので、笑いもなければ手応えもないような孤独な状態になったんです」
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