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ブロック機能の廃止?!阿鼻叫喚から見えたモノ

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

暴れん坊の「ミスターX」、イーロン・マスクが止まりません。旧Twitterを買収して以降、大量の人員解雇、サービス仕様の変更、挙句の果てには「Twitter」という名称まで返上し、もうこれ以上の仰天ネタは出てこないだろうと思っていたんですが……ごめんなさい、私が甘かった。

マスク氏、今度はブロック機能を廃止するそうです。公式発表では無いのですが、氏が「そのつもり」と投稿しているので、恐らくそうなるんでしょう。マジですかイーロン。

とは言え、実はブロック機能自体はそこまで完璧なものではなく、例えば私、会ったことも絡んだこともなく、フォローもしていない、もちろん悪口だって書いていない、ジャーナリストの津田大介さんからブロックされています(ひどいよね! ちなみに津田さんはマシンガンのようにブロックを連発することで有名です)が、そんな津田氏の投稿も、私の別アカ経由で覗けばもちろん丸見え。現状の「ブロック」なんて所詮その程度の機能です。

これ、言い換えれば「ストーカー犯罪」や「病的な誹謗中傷」の被害に遭っている人たちにとっては、現状のブロック機能はまだ不十分だということ。今回のイーロン発言に合わせ、X社のCEO(リンダ・ヤッカリーノ氏)も「ミュートやブロックより、もっと良い機能を提供する」と宣言しているので、必要な方々に、より効果的な「代替機能」がリリースされることに期待です。

ちなみに私自身はブロック機能をあまり使っておらず(スパム対策に使う程度)、今回の騒動は正直どっちでも良いのですが、ブロック機能の廃止に「断固反対!」と叫んでいる阿鼻叫喚を観察したところ、どうやら大きく2つのタイプに分かれるようで……。

タイプ1「シンプルにつながりたくない」

嫌いなアカウントと距離を保ちたい、不快なアカウントからフォローされたくない。アナタが嫌いだと宣言したい……だからブロック。まあ当たり前ですよね、殆どの方がコレでしょう。

いきなり粘着されたり、知らぬ間にわいせつ系アカウントからフォローされた場合にはブロックで対処。汚物はブロックだ! そりゃそうだ。とは言え……そもそもSNSって魑魅魍魎の「知らない人々」との関わりを取り持つシステムなので、何だか大変そうだなぁ、疲れそうだなぁって思っちゃいます

タイプ2「批判・指摘をされたくない」

自分の意見を批判したり、誤りを指摘するヤツは誰だって許さん。投稿も見せたくない! ぜんぶ阻止したいんだ、だからブロック!……うん、爆裂的にSNSに向いてないかも。

タイプ1が「人物」に対するブロックなら、このタイプ2は「意見」に対するブロックと言えるでしょう。面白いことに「タイプ2」の人たちって、皆さんハンで押したように「コミュニティノート」が嫌いなんですよね。

揃って「あの機能は問題だ、廃止すべき」と鼻息荒いのですが、一方でコミュニティノートから受けた具体的な指摘、訂正に対し「ロジカルに反論」する場面は殆ど見られないので、痛いところを突かれているのかしらって思いながら見ています。

コミュニティノート、以前も書きましたが、現時点ではフェイクや事実誤認の修正につながるケースも多く、上手く機能すればフィルターバブルやエコーチェンバーを解決する糸口になる……かもしれない機能です。一方でそうなると都合の悪い人たち、フェイクやデマで食っている人たちがいるのも事実であり、つまりコレ相当闇の深い話なのです。

「ブロック機能の廃止は、AppleやGoogleのストアポリシーに反する」「いやそれは無い」みたいな「別の殴り合い」も始まっていますが、当のマスク氏は、本件で自分に文句を言ってくる人たちを片っ端からブロックしながら、「ブロックの味はどうだい?HAHAHA」と煽って遊んでいますよ、わぁ……。

「空気を読まない富豪のサイコパス」って漫画でしか見ないキャラだと思っていたんですが、実在するんですねぇ。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。

Image:Getty Images

 



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