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LIFESTYLE ネット・SNS危機管理マニュアル

自分も?「老害」にならない為に、「老害」を知ろうというお話

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

ここ数日のX(Twitter)は、真夏の風物詩「老害」で盛り上がっております。そうです、酷暑の甲子園。特に今週は熱中症で倒れる気の毒な選手が続出し、その様子が報じられる度に「8月の甲子園開催にこだわる老人たちが……」という文脈で「老害」ワードが飛び交うのです。

確かにハタから観ていても「真夏の屋外開催はそろそろ限界では?」 としか感じないのですが、実はワタシもいい歳になりまして、この原稿だって2度目の四十肩にイラつきながら書いています。ちょっと気を抜けばすぐに老害サイドに闇落ちする年代なので、日々「老害とは何ぞや?」を自身に突き付けながらSNSを眺めております。

ちなみに、テメエの運転ミスで交差点に突っ込んだのに「車の欠陥のせいだ」と無罪を主張するご老人や、お店のタッチパネルが面倒だから「お前がやれ」と店員を呼びつける高齢者は、そもそも人としてどうかと思うし、若い時分もロクな人間じゃなかったハズなので、老害以前の問題にカテゴライズしています。何でもかんでも「老害」にしていると、まあキリがなく、あと余計な分断しか生まないので……。

どうも唯我独尊タイプが……

さて、ネットやSNSで散見される「老害」の話題を分析してみると、大きく2つの傾向が見られます。1つが「自分が知らないモノは評価しない」という人たち。過去、自分が使わずに過ごしてきた「電子マネー」や「ネット婚活」といった新しいモノを、思わず否定、批判してしまうような唯我独尊タイプの方々ですね。

実は「ニッポン4大IT化が進まない」業界というものがありまして、「政治」「学校」「マスコミ」「警察」、これら4つ業界では、未だ管理職を中心にショートメッセージが現役だったりします。いずれの業界にも、

・競合が少ない、いない

・組織が年功序列

という共通点があり、すでに管理職ポジションに就いている層には、自分が過去にやってきた「これまでのやり方」があるので、新技術や新発想を受け入れたがらない。でも競合が少ないから何とかなっちゃう。一方で若手も、上にケンカを売りにくい構造(年功序列)なので、結果的に業界全体で新技術の導入が遅れがちになり、IT化が停滞する……と。まあ、この4業界に限らず「あるある」な話なんですけどね。

面倒臭いけどやってみる、批判する前に触ってみる、その動作をクセとして身に着けることが、自身の老害化を防ぐキモでしょう。

ズルいよ! お前たちも苦労してよ!

2つ目は「自分たちが経験した苦労は若手にもして欲しい」タイプの人たち。「えー、自分と同じ苦労しないのはズルいよ」と感じてしまう人たちですね。

「子育て関連」とか「環境改善」といった分野に特に多く見られ、確かに教育費の無償化やら育休やら学校にクーラー入れる話やらに反対するのは、たいてい「もう終えた人たち」ですよね。

ただしコレ、要は「終えた人たち」なら誰でも、若者だって「ズルいよ!苦労してよ!」のダークサイドに陥りかねず、結果的に「終えた人たち」に高齢者が多かっただけなので、実は若いうちから気をつけていても損は無い話なのです。

で、具体的にどう気を付けるのかと言えば……「相手の立場に立つ」「全体で考える」という、物凄くシンプルかつ難しい、自分の人間性が試される作業なので、まあやらないですよね、でもやろうぜ、という深い話になります。

結局、老害崖っぷちの日々に効くのは、新しいものを取り入れ、相手を思いやるという、なんとも面白くない結論に至るワケですが、手っ取り早いのは、趣味でも副業でも何でも、とにかく

「自分が下っ端になれる『楽しい環境』」

を一つ持っておくことでは。何かを教わり知識を増やすって、幾つになっても楽しいし、それが老害防止につながるなら最高ですからね。

私も何か始めようかな…。

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。

 



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