メルセデスの「C220dオールテレイン」は、大径タイヤとサスペンションのリフトアップによって、全高を(ステーションワゴン比で)40mmアップさせたことで、SUVのような高いアイポイントと車高(最低地上高は110→150mm)が与えられている。ワゴンボディがベースであることからカーゴエリアは十分に広く、仕事やレジャーの道具を余裕で積載できるなど、実用性は抜群。最新の2.0Lディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッドのパワートレインは高速巡行を余裕でこなし、4MATIC(四輪駆動)は悪路走破性も抜群に高い。
ただ、バッテリーEV化に躍起になっている欧州メーカーのひとつだけに、ディーゼル仕様のオールテレインはこれが最後になるかもしれない。消えゆく前に、その魅力をご紹介しておこう。
■日本にジャストなサイズ感が魅力
現行型Eクラスにも設定されている「オールテレイン」。E220d 4MATIC オールテレインは、全長4955mm、全幅1860mmのロングなボディのため、日本で乗るには、すこし気を遣うサイズ感だ。Eクラスのステーションワゴンとして、スタイリッシュなデザインと広い荷室の使い勝手の良さ、そして極上の乗り味と優雅さを持ち合わせた上に、SUVテイストまで付加したオールテレインは、憧れの一台ではあるものの、日本市場での価格は税込1065万円と、気軽に手が出せるクルマではない。
しかし、Cクラスなら、少し手が届きやすい。E220d 4MATIC オールテレインの弟分として、2022年1月に日本デビューした、C220d 4MATICオールテレインは、全長4760mm、全幅1840mmと、日本市場にジャストなサイズ感。GLC、GLEといった背高の大きなSUVと比べても、立体駐車場に入れやすいというメリットがある。価格も税込796万円と、Cクラスのラインアップの中では(AMG C43を除いて)最高額ではあるものの、800万円を切るスタートプライスに収まっている。
Eクラスのオールテレインのように、車高調整機能(エアサス)はなく、通常のコイルスプリング式のサスペンションではあるが、全長が短く、無駄を削いだ潔いスタイリングとなったことで、スタイリングの魅力が凝縮されたような印象だ。