希少な生ホッピーと、殻つきのままバリバリと食べれる、あの焼き物を求めて。下町情緒溢れる、北千住にやってきました。
東京都足立区にある北千住駅は、千代田線、日比谷線、東武スカイツリーライン、JR常磐線快速が開通していて、アクセスがしやすい、でもディープな街です。駅前はビルが立ち並び、一見普通のベットタウンのような印象です。が、かつては下町ではなく、江戸時代、日光街道の初宿として旅籠や商店、問屋などがひしめき合い、多くの旅人が行き交う宿場町でした。
幕末には1万人が住む江戸近郊の最大の宿場だったそうです。千住宿の宿場町周辺は、今では「宿場町通り」という商店街になっています。
今の時期は、一見さんは入れないお店もいくつかあるので、暖簾越しに店内をちらり覗き込みながら、街を一人放浪します。駅前の路地裏には、呑み屋さんが立ち並びます。戸や窓を開け、換気をこころがけて営業されているお店が多くありました。
そんななか、訪れた「まるかや本店」さんは、路地裏にひっそり佇む人気のお店です。こちらの看板を目印に、希少な樽生ホッピーを頂くためにワクワクとしながら奥に進みます。ちなみに、人気大衆居酒屋の屋号には様々なものがあるのですが、こちらは「加賀屋系」のお店です。昔ながらの“のれん分け”で北千住には加賀屋系の酒場が多いようです。
店内に入るとコの字カウンターと、2名席がいくつかあります。カウンター越しに希少な「生ホッピー」が頂けるサーバーを拝みながら、早速注文を。ちなみに、サーバーの真ん中の注ぎ口が「生ホッピー」が専用の注ぎ口になっています。
銭湯の多い北千住ということで、ワタシも大黒湯に寄ってから、お邪魔したので「生ホッピー」を一気に飲み干してしまいました。
生ホッピーとは「樽生」のことで、樽入りのホッピーを生ビールと同様に、専用のサーバーからジョッキに直に注ぐ方式のことです。徹底した温度管理と、サーバーの衛生管理、さらに焼酎とホッピーの割合を厳守することなど、数多くの条件をクリアしたお店でしか生ホッピーを提供することが許可されてないのです。特徴は生ビールと同様に、とてもきめ細かでクリーミーな泡立ちと爽快感のある味わいが際立っていますよ!
広々とした店内には、一人でもつ焼きを楽しまれている方も、お二人で楽しく酒を呑み交わされている方々など楽しみ方は様々です。
最初のおつまみは、さっぱりとしたぬか漬けを注文。一人で注文していただく際には大体最初から最後まで箸休めにちょうど良いボリュームがあります。
「生ホッピー」を数杯頂き満足した後は、さっぱりとした特製「まるかハイ」と共にもつ焼きを頂きます。
焼き物を注文する際、私はいつも、「塩」を注文します。そのものの味が楽しめるし、酔っ払ってもタレがこぼれないようあえて塩を選びます。
そんな中、お隣にいらしたかなり酔っ払われていた坊主のおじさまが、注文の際毎回「タレ」か「塩」をすごく迷われておりました。ついつい、マスクをつけて声をかけたら、おじさま曰く「塩」は通ぶっている気がしてなんだか躊躇されていたようです。わかるような、わからないような……それ以上話は盛り上がらず笑。若いころは共感しているフリをして媚びていましたが、そういうことやめたアラサーだからでしょうか。私は黙々と楽しみにしていた美味しい焼き物を頂きます。
本日の目玉、「うずらの玉子室蘭焼き」です。普段召し上がらない部分の、うずらの玉子の殻ごとバリバリと頂く至福感。お店でしか頂けないものを食べれると楽しいですよね。程よい塩気、パリパリした殻の食感がクセになります。北海道の方はご存知かもしれませんが、室蘭焼きとは、北海道・室蘭の老舗焼き鳥店が発祥だそうです。
いかのくちばしも初めて頂きましが、噛めば噛むほど味が染み渡ります。
コロナ渦にあって、自由気ままに居酒屋巡りできない日が続きます。それでも、感染に気を付けながら、最大限に楽しみたい、そう感じさせた北千住でした。
まるかや 本店
東京都足立区千住2-62
営業時間 17:00~20:00
定休日 日曜・祝日
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。
ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
Photo&Text:Misaki Kobayashi
Edit:Takashi Ogiyama