そろそろ緊急事態宣言が解除されそうですが、油断は禁物。でも、たまには息抜き、したいですよね。ルールを守って、昭和な居酒屋でリフレッシュ! したいアラサー女子な私です。
今日は、春の訪れを感じながら、懐かしい昭和の東京にタイムスリップしたような下町が立ち並ぶ「谷根千(谷中・根津・千駄木)」、その中から根津の酒場に訪れました。
■界隈のボス猫として有名な看板猫がいる昭和54年の老舗店!
「車屋」は、40年以上も我らのんべえに愛されてきた名店です。料理長は銀座の有名店で腕をふるわれた後、当時の「車屋」の店長からお声がかかり、入店。その後、2代目になられたそうです。和食の鉄人、道場六三郎氏の元でお仕事をされていたこともあるのだとか!
さっそく、店内には桜が咲いており春の訪れを感じます。
厨房前にはオブジェのフグが飾られていて、そして、ずらりと並ぶ短冊のメニューは老舗ならでは。ワクワクしますね!
綺麗に磨かれたテーブルや黒い柱が印象的な、田舎風の店内でほっこりします。吉田類さんも以前訪れているお店です。お会いできる日はいつになることやら。恋焦がれ。
カウンターに座ると、お隣には常連さん。シルクハットを被られた黒ずくめの素敵なおじさまが♡
しかし、私が到着した時にはすでに焼酎ボトルを空けられフィニッシュ。
常連の方々は早いお時間からお酒を嗜まれており、お話しできず帰られてしましました(涙)。
街に愛されている老舗店は最近、常連さんは早いお時間から呑まれてさくっと帰られる場所が多いですね。
そして、看板猫ちゃんも今日は2階から降りてこない、とのことで、トホホ。
■名物「卵焼き」がレモンハイと好相性!
おじさまが帰ってしまい、猫にも会えず、ですが、気を取り直して、ぐびっとお酒を。まずは生ビール。小・中・大と3種類から選べます。今宵はガツンと大を注文!
続いて、ボリューミーでありながら、さっぱりとしている水茄子の揚げ出しです。普通の茄子でないところが、料理長のこだわりを感じます。
レモンハイはちょうど良い濃さ♡ 2杯目からはグラスそのままで、レモンをそのまま追加できますよ。
そして、車屋さんに訪れたら、はずしてはいけないこちらの卵焼き! 通常サイズは卵を5個使用しているらしく、お二人でシェアするのにちょうど良いサイズ。
さすがにアラサーひとり呑みの私をお店の方がお優しく気を遣っていただき、ハーフサイズを注文させてくれました(感謝)。料理長こだわりの優しいお出汁が効いていていて、レモンハイによく合います。
「車屋」は、新鮮な魚介類もたくさん用意していることで有名です。あれこれ悩んで、なまこ酢を注文! その相方には、やはり日本酒でしょう。しかも、冷酒でグビっといきたい気分です……。
日本酒のメニューを凝視すると、新酒しぼりたて生酒がおすすめに。すべて気になるのですが、北海道酒造大手・男山酒造の「諸事情」に目が止まります。その名が、なんだか自分のようで、親近感が沸き、こちらを一合注文!
通常は北米輸出専用の酒とのことで、彼地での名前は「男山」で流通しているそうです。しかし、新型コロナウイルス感染に伴う需要減で、出荷を見送ったその「男山」を、「諸事情」という名で国内でも吞めるようにした、というのが事の顛末。
価格は同等製品の3分の1 と通常より破格で、余剰在庫を処分して2020年以降の原産を食い止めるために、行き場を失う恐れがある酒米の買い付け量を維持したい考えで販売されています。辛口特別純米酒で現地では「VERY DRY」として人気のお酒です。
ガツンと潔い辛口のお味♡ 人にもいろんな事情ってもんがありますが、酒にもあるんですね。しかし、こんなに美味しい事情はありがたい。
さて、長居は野暮にして禁物。締めの一品に鯖の一本ずしをオーダー! 限定20食、売り切れ必至のメニューなので、今日はまだあってホッ。
鯖がきらりと光り輝いており、締まり加減が絶品♡ “お酒と一緒にパクパク食べられる一本寿司”として有名です。
現在は昼のみの営業となっている「車屋」。今までの当たり前が変化して、たくさんの諸事情が生まれた世の中ですが、人生考え方次第で幸せな気分になれます。
看板猫にも、おじさまとも語らえなかったのは残念ですが、次の酒場で素敵な出会いがありますように♡ 鯖ずしと日本酒の余韻をマスクでフタして帰路につきます。
車屋 (くるまや)
東京都文京区根津2-18-2
03-3821-2901
営業時間 月~金11:00~20:00(※通常と異なり昼〜時短営業)、土11:00~20:00(※通常と異なり〜時短営業)
定休日 日曜日・祝日
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
Photo&Text:Misaki Kobayashi
Edit:Takashi Ogiyama