寒い冬の朝は、クルマに乗り込んでも車内が暖まるまでは、シートもステアリングホイールも冷たく、辛いものです。だからといって、着こんでいると車内が暖まったときに暑く感じますし、何より、着込んでの運転は、危険。
シートヒーターやステアリングホイールヒーターがあればまだましですが、これらが備わっているクルマばかりではありません。そこで今回は、冷えた車内ではやく身体を暖める方法について考えていきます。
寒さで身体がこわばったまま運転をすると、とっさの際に反応が遅れるなど、危険です。そればかりでなく、身体に余計な力が入っていることで、疲れやすくなったり、首や肩のコリにもつながってしまいます。早く身体を温め、ほぐしておく必要があります。
■一瞬で身体を温める方法1「深呼吸」
身体の体温を調節しているのは「自律神経」です。自律神経は、深呼吸をすることでコントロールすることができます。ポイントは、普段通りの呼吸ではなく、深い呼吸をすること。
たくさん酸素を取り入れることで、身体を活性化することができ、温まってきます。
■一瞬で身体を温める方法2「グーパーする」
運転席に座ったまま、両手を前に出し、指を握ったり開いたり、「グーパー」を繰り返します。同時に、足の指もやると効果的。
末端である手指足指を動かすことで、全身の血流を促すことができ、身体を温めることができます。
■一瞬で身体を温める方法3「首にマフラーを巻く」
身体を効果的に温めるには、「首」を温めることが効果的とされています。ガチガチにマフラーを巻くのは、運転への支障が考えられるためNGですが、自由に頭を動かすことができ、安全確認に支障がない範囲で、マフラーをして首を温めるのは、身体を温めるのに効果的です。同じように、手首や足首も温めると効果的なので、滑りにくいグローブや、レッグウォーマーなどもおすすめです。
■一瞬で身体を温める方法4「膝掛けとカイロでこたつをつくる」
身体が接触しているシートや手先、足先が冷たくても、人体で一番大きな筋肉のある太ももを温めることで、全身の体温を効率的に高めることができます。ただしひざ掛けは、太もも部分だけを覆う、小さめサイズにすることと、膝より下にずれることがないようにすることが重要です。
また、膝掛けの下にカイロを忍び込ませると、こたつのような効果が得られてより効果的。こちらも、下にずれて足元に落ちてしまわないよう、注意してください。
■番外 「後付けのシートヒーターを使う」
後付けできるシート用のヒーターを使うのも手です。座面だけのクッションタイプのものから、身体が接触する範囲を覆う加熱マット、さらには冷房機能やマッサージ機能まで搭載したものまで、豊富にそろっています。安いものだと数千円から用意されていますので、手軽に取り入れることができます。
冒頭で触れましたが、防寒具などを着込んでの運転は、危険です。身体が動かしにくくなるばかりでなく、万が一の際、シートベルトがしっかりと機能しない可能性もあるからです。しかし、寒さを我慢しての運転も危険です。今回ご紹介した内容を参考にしていただき、ご自身がいちばん取り入れやすい方法をさがしてみてください。
Text:Kenichi Yoshikawa
Edit:Takashi Ogiyama
Photo:Gettyimages