FASHION ― 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

ドクトルのヴィンテージ魂をゆさぶる、川崎の名店「ストレイシープ」店主・世田匡典氏と語り尽くす「古着選び」とは?

2018.8.21 2018.8.21
2018.8.21
ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

温故知新、ドクトルはヴィンテージを見る目も超一級だった!

今年6月、ドクトルはロンドンへ飛びました。もう40年ほど通っているヨーロッパの素材展示会「ミラノ・ウニカ」やヴィエラ地区の高級梳毛メーカーが出展する「イデア・ヴィエラ」を、例年のように視察するためです。

出発前、「朝6時にポートベロー・マーケットで会いましょう」とドクトルから誘いをかけたのは、英国ヴィンテージショップの若きリーダーで、古着店『ストレイシープ』の店主、世田匡典さん。今回は世田さんが、川崎駅東口から徒歩5分のイタリアのヒルタウンを模した地域に、2年前に出店した『ストレイシープ2号店』からお二人の古着談義をお送りします。

うら若き赤峰幸生少年の「恋文横丁」物語

世田 ロンドン随一のアンティークマーケットと呼ばれる「ポートベロー・マーケット」は非常に刺激的でしたね。赤峰さんに同行できて光栄でした。

赤峰 私にとっては“生地の魚河岸”みたいな感じでしたよ。楽しかった。世田さんもお目当てのものに出合えたようで、よかったです。

世田 ところで、赤峰さんが古着に目覚めたのはいつ頃のことですか?

赤峰 ヴィンテージに目覚めたのは18歳ごろ。学校が渋谷にあって、渋谷駅前に「恋文横丁」という一角があり、そこに「さかえや」という古着屋があったんです。アメリカの放出品やレコード、服などがあったのですが、学生には高くて手が出なかった。でも学校帰りに毎日のように見に行きました。

世田 どんな人が店に来ていたんですか。

赤峰 自分のような貧乏学生が多かったけど、ある日、道玄坂にモーガン(英国のスポーツカーメーカー)が止まっていて、さかえやに入ったらレイバンのサングラスを掛けて黒のタートルネックで服を物色している人がいて、それが伊丹十三さんでした。また違う日に床に置かれていたLPレコードを漁っていたのは加藤和彦さんでした。

世田 お二人ともスーパーダンディですよね。

赤峰 そんな体験があって、27~8歳のころに、NYでヴィンテージの軍モノなどを探していて、「これは良い服だな」と気に入ったものはほとんどMADE IN ENGLANDでした。それで、「元祖は英国なのか」と思い、イギリス通いが始まったわけです。

ヴィンテージウェアを民主化していくのが世田さんの仕事

世田 赤峰さんはヴィンテージのどういうところに魅力を感じているのですか。

赤峰 自分は現在も「AKAMINE Royal Line」というブランドでコートやスーツを作っています。スーツやジャケットは“フィッティング”が重要なので、なかなかヴィンテージから自分にフィットするものを探し出すのは困難ですが、スーツやジャケットの上に羽織るアウターはヴィンテージにこだわりたい。そういう意味で、ヨーロッパでこんなにコンディションの素晴らしいドレスのヴィンテージを探してくる世田さんの「目利き力」には一目置いています。

世田 そう言っていただけてうれしいです。自分は以前はドレスアイテムは扱っていなかったのですが、革靴を仕入れるようになってから、ウェアまで買い付けが広がっていきました。赤峰さんには自分が知らないことをたくさん教わって、商品も気に入っていただいて感謝しています。

赤峰 世田さんはもともとカジュアル、ワーク、ミリタリーなどを買い付けていたそうですが、若いけどドレスの本質を認識し始めて、特に階級社会であるヨーロッパで着られていたヴィンテージウェアを「21世紀に民主化する」仕事をされていると思います。素晴らしいことですよ。

ドクトル赤峰に“刺さった”フランスメイドのバーバリー

世田 最近は、赤峰さんに買い付けてきたものを一番先に見ていただくこともあります。

赤峰 いいものは、「瞬間的に匂う」からね。もう自分の臭覚で決めていますよ。

世田 今、赤峰さんに取り置きしていただいているのは、どちらもフランスメイドのバーバリーで、一つは1940~50年代のハンティングジャケットです。フランスの田舎のアンティーク市で見つけたもので、探し当てた瞬間、グッと来ました。

「BERBERRY」 MADE IN FRANCE 40~50’s VINTAGE 9万8000円

赤峰 バーバリーは一時期だけフランスで製造していたことがあって、フランスメイドのバーバリーは本当に貴重です。コートも今年の冬のためにキープしているけど、「俺の近くに置いておきたいな」と自然に思えるもの。なにか響いてくるんですよ。

「BERBERRY(BESPOKE)」MADE IN FRANCE 1958 VINAGE 12万円

世田 赤峰さんに刺激を受けたのもありますが、年々ドレスアイテムに力が入ってきています。

赤峰 世田さんにはドレスのどんなところが魅力ですか。

世田 イギリスに行くと、昔仕立てた服をしっかり着ている紳士がとても多くて、そういうのを見るのも刺激になっています。英国人はカッコイイですよね。

赤峰 古着には3つの段階があって、50年以上昔のものをアンティーク、50年以内のものがヴィンテージ、10年以内がユーズドと区分けできます。自分が一番興味があるのは1920~30年代のメンズドレスの確立期。世田さんはそういう時代のドレスの目利きでもある。

世田 赤峰さんが今日着ているジャケットはどちらのものですか。

赤峰 今日のはアメリカの「J.C.ペニー」の1930年代後期のジャケットです。服というのは気に入っていると捨てることはなく、誰かに譲ったり、売ったりする。世田さんがやっている仕事は、いわば「良質な継承ビジネス」ですよ。世界基準でのリサイクルビジネスだと思う。頑張ってほしいです。

『ストレイシープ2号店』
神奈川県川崎市川崎区小川町4-1マッジョーレ棟A201号
044-201-4788
営業時間:11:00~20:00
定休日:火曜日
https://ameblo.jp/straysheep77/

「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちら「forzastyle@kodansha.co.jp」まで質問をお送りください。

ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

Photo:Shimpei Suzuki
Writer:Makoto Kajii

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