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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

ドクトル赤峰が靴の修理に『ユニオンワークス』へやってきた!

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ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

今回のゲストは、シューズリペアショップ『ユニオンワークス』創業者で代表の中川一康さんです。中川さんは1965年生まれで、29歳のときに起業。グッドイヤーウエルト製法の革靴など本格的なシューリペアを行う『ユニオンワークス』を設立し、現在は5店舗を運営。ダンディな紳士であると同時に、“靴ヲタクの首領(ドン)”でもあります。

20~30年履き込んだ革靴は美しい

赤峰 中川さんに直してほしい靴を3足持ってきましたよ。中川さんの目で見て診断してください。

中川 どれもよく履かれていますね。この「ジョージ・クレバリー」は一度底を貼り替えていますね。

赤峰 ジョージ・クレバリーは20年ぐらい、「ジョンロブ」はビスポークで作ったのが30年前ぐらいかな。ジョンロブは自分の足の形なりに沈んでいて、今も世話になっている靴です。

中川 いわゆる“ロンドン・ロブ”ですね。ソールに穴が開いているので交換が必要ですが、底にある「LOBB」の文字は残したいなあ。履き込んだ靴は本当にいいですね。今日履いてこられた靴のシューレースが傷んでいるので、早速交換しましょう。

赤峰 ありがとうございます。この「ジョンロブ」は10年前ぐらいにジョンロブ・ジャパンで購入したものですが、革の色が何ともいえずいい色でしょ。

中川 これは伝説のラスト#2466のダービーですね。それにしても今日の赤峰さんのコーディネートは色が整っていますね。こんな色のソックス、見たことがありません。どこにもスキがない。

赤峰 修理に持ってきた3足は茶系ですが、茶色の革のバリエーションが意外と少ないのが悩みどころ。あまりコントラストをつけたくないときは本当に困る。ポケットチーフは紅茶で染めたり、自分で色の調整をすることもあるんですけどね。

中川 アイリッシュリネンのスーツにこのジョンロブの色合わせはさすがです。

赤峰 いやいや、夏だけですよ(笑)。

「靴はタイヤ」という考え方でOK。困ったら私たちがいる

赤峰 『ユニオンワークス』で一番多い修理はなんですか。

中川 やはりソール交換ですね。グッドイヤーの靴のオールソール(全交換)や、トップピース(かかと)の交換、雨の日用にラバーソールへの交換など、基本的には底まわりの修理ですね。あとはつま先などの部分修理や、破れてきたライニング(内側)の修理などです。

赤峰 修理と一言でいっても大変な仕事ですよね。

中川 はい。同じ修理でも何通りもあるので、お客様と話をしながら決めていきます。特に正解がないので、予算も聞きながら、「この靴とどう付き合っていきたいか」という選択肢を提案していきます。


上が「ジョンロブ」、下が「ジョージ・クレバリー」

赤峰 僕は、知り合いの雑誌編集者に「赤峰さんは靴の手入れをしない人ですよね」と言われるほどケアやメンテナンスは全然ダメなんです。靴は、クルマでいうタイヤのようなもので、洋服にとってものすごく大事な役割があるけど、“足まわり”だと思っているから、それほどストイックになれない。もちろん、ピカピカのほうがいいですけどね。

中川 「靴はタイヤ」でソールは消耗品というスタンスはある意味で紳士的です。困ったら私たちに頼ればいいんです。

赤峰 洋服もそうだけど、細かいことを気にするヲタク的な人って必ずいるからね。

中川 それはそれで嬉しいことですが、世界中の良い靴が日本に入り出した90年代の影響だと思うんですが、ちょっとしたキズや微妙なサイズ調整ばかり気にする靴好きもいます。そういう人を見ていると、「靴は歩行の道具で、履いて楽しんでなんぼ」とも思います。赤峰さんのように無頓着な方が、私たちはやる気が出ますね。

靴も洋服も、素材と作り、そして手の仕事は裏切らない

赤峰 中川さんが今日履いている靴はなんですか。

中川 私のは10年ほど履いている「アンソニー・クレバリー」で、エドワード・グリーンの工場で作られた靴です。

赤峰 ブランドではなくて、工場ですか。さすがですね。

中川 26歳の時から靴にずっと携わっていますが、ブランドでは靴を見ていなくて、「どこの工場で作られたのか」が、僕の中でのブランドになります。


中川さんが履いている「アンソニー・クレバリー」

赤峰 その考え方は素晴らしいですね。ほとんどの人は「ブランドでモノを語っちゃう」わけですよ。モノをモノで語れない。洋服も同じで、どんな工場で、誰が作ったかが大事。つまりミシンでもハンドメイドでも「その人の手」なんです。その人の手の加減があるから、「何か違うよね」というのを感じることができる。全部同じだったら大量生産の工業製品ですよ。

中川 本当に「素材と作り」そして人間の手ですよね。特に素材と作りは裏切りません。

赤峰 中川さんのお気に入りの靴を1足、紹介してください。

中川 では、「ジョージ・クレバリー」のルームシューズを。これは英国では「ベルベットスリッパーズ」と呼ばれていて、屋敷の中でリラックスするときに履くものです。木型がきれいなのと、なんといってもシーホース(タツノオトシゴ)の精緻な刺繍の盛り上がりが秀逸。いろんなルームシューズを見ましたが、これがダントツで美しい。海外出張の時には必ず持って行きます。現在は、ジョージ・クレバリーのロンドン本店とうちでしか買えません。

赤峰 刺繍がエレガントで、眼福ですな。


GEORGE CLEVERLEY「Seahorse Velvet Slippers」64,000円(税抜)

「レースアップはタイドアップ」を肝に銘じよう

赤峰 FORZA STYLEは40代のビジネスマンがターゲットなんですが、中川さんはサラリーマンの靴をどう見ていますか。

中川 創業した25年前とかは、電車に乗っていて「磨いてあげたい、直してあげたい」と思う靴を履いている人をよく見かけましたが、最近はだいぶよくなってきていると思います。それでも、イタリア的なロングノーズの靴をブカブカのサイズで履いていたり、紐靴なのに紐をゆるめないで脱ぎ履きできる人が多いのが信じられない。

赤峰 流行りモノとクラシックは違いますが、ロングノーズの靴、デカい時計、ネックの合っていないシャツ、テラテラした素材のアンコンジャケット、スーツに裸足など、「やっちゃいけないこと」ってある。ホーズをきちんと履くのは“基本のキ”ですからね。流行っていくと、「みんなもやっているし、俺もいいかな」となってしまう。

中川 紐靴をスリッポンのように脱ぎ履きしているのを見ると唖然とします。

赤峰 「レースアップはタイドアップ」なんです。ネクタイをアップするからタイドアップなので、紐靴もレース(紐)を緩めて脱ぎ履きして、きちんと締めるのは当たり前。紐靴を緩めて履いている人、本当に多いですよ。

 

『UNION WORKS AOYAMA』
東京都渋谷区神宮前3-38-11 パズル青山1階
03-5414-1014
営業時間:12:00~20:00
定休日:水曜日
http://www.union-works.co.jp/


「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちら「forzastyle@kodansha.co.jp」まで質問をお送りください。


ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

 

【information】「シチリア映画を食べる 」イベント開催!
赤峰幸生プロデュースのイタリア文化発信企画第3回「シチリア映画を食べる」が、広尾のリストランテ「ラ・ビスボッチャ」にて8月5日(日)に開催決定。スペシャルコースによる夏のディナーイベントは、数々の映画に登場するイタリアのマリンリゾート、シチリアをイメージして海鮮料理をコースに。ディナーを通じてバカンス気分をお楽しみください。

日時:2018年8月5日(日)18時スタート
場所:リストランテ「ラ・ビスボッチャ」
コース:お料理全10品
料金:お一人 1万2,000円(税込)
小学生 7,000円(税込)
ドレスコード:白を基調にした服装でお越しください。
予約・お問い合わせ
TEL03-3449-1470
E-mail:info@labisboccia.tokyo
(担当:下田、中島)

Photo:Riki Kashiwabara
Writer:Makoto Kajii



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