エルメスのバンダナ柄は、何枚も買わせる魔力がある……んでしょうね
さて、38回目はエルメスのバンダナです。アメカジ、渋カジ全盛の方々が先輩だったため、昔から身近だったバンダナ。アタマに巻くような、ある種の王道は避けてきましたが、手頃なのでキレイな柄に出逢うと結構買ってはケツポケに忍ばせていました。
僕の身近には無類のバンダナ好きがいるので、追従してヴィンテージを掘るような真似はしませんでしたが、周りとは違うバンダナにはつねにアンテナを張っていました。
そんなときに飛び込んできたのが、2014年に「エルメス」からリリースされた新作シルクバンダナコレクション。エルメスのスカーフに用いられるアイコニックな柄と、アメリカ・ウエスタンの世界からインスピレーションを得た新しい柄と、55x55cmというサイズは、メンズでも割りと抵抗なく取り入れられそうだから、「風の民」をオレンジのワントーンで仕上げたシルクのものを1枚買ってみることにしました。エルメスにしてはお手頃なんですが、バンダナって考えると結構高額なので 清水ダーイブっ!
イメージとしては、こんな風にさり気なく挿しのアイテムとして使いたいんですが、シルクですから汗っかきの僕にとってはキツい。夏場は、おそらく汗だくになってしまい……
ホワンホワンホワンホワン ホワワワワ〜〜ン
「良かったら、コレ使ってください」
「あっ! ありがとうございます。洗って、いや新しいの買って返します!」
「いえ、お気になさらず」
「そうはいきませんよ! では、今度お礼にお食事でも」
「バンダナお貸ししただけなのに、ゴハンだなんて」
こんな風に食事して、お酒飲み行って……、きっと良か晩だなぁ。
はっ、こりゃ とんでもない茶番だ、ないない。こんなオチ書いてるようじゃ、コラムからも降板だな。
Photo:Ko Maizawa
Text:Ryutaro Yanaka
『FORZA STYLE』シニアエディター
谷中龍太郎
さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。