JAZZはオトナの言葉遊びである
恋を売ります。
食欲がそそられるような若い恋。
新鮮で、まだ痛みも激しくありません。
ほんのちょっとしか痛んでないんですから。
そんな恋を売ります。
お子様向けの恋は詩人にでも任せて。
私はあの方たちよりずっとずーっと、いろんなタイプの愛を存じてますの。
恋のスリルをお望みなら恋愛製造工場直送の私をいかが?
古い恋、新しい恋、あらゆるタイプの恋を取り揃えておりますの。
本当の恋以外はね
『Love For Sale(恋を売ります)』より
FORZA STYLEの素敵な読者のみなさま、はじめまして。恋愛中毒のJAZZシンガー、RIKAPEPEです。JAZZシンガーらしく、JAZZの名曲『Love For Sale』に載せて登場してみました。
どうぞ、ぺぺと呼んでくださいませ。名前を聞いて嫌らしいローションを思い浮かべたそこのアナタ! そんな下心、嫌いじゃありません。
いきなりですが、スマフォー読者の皆さまは恋をしていますか?
御察しのとおり、私はJAZZシンガーという職業柄 恋多き人生を歩んで参りました。
そんな私がJAZZに出逢ったのは22歳の頃。
1952年 ちょうどGHQの時代にマッカーサーの占領統治から開放された記念すべき年に生まれたナイトクラブ96。その三代目の老舗JAZZバーで修行を始めたのです。店では毎晩ご機嫌なJAZZの生演奏が鳴り響き、美味しいお酒と愉しい会話が心地良く広がっていました。そんな紳士淑女の社交場に出入りをしていた粋なオトナ達に、ぺぺは男女の恋愛、いや人生を教わったのです。
JAZZは英語の歌詞が多いのですが、歌詞の意味って意外と知られていなくて。ストーリーも魅力もたっぷりのJAZZは、あなたに変わって女性に語りかけ、口説いてくれるんです。まさに、ピロートークのようなオトナの言葉遊び。こんな音楽、他にありますか?
もちろんその先、どうするかはあなた次第ですが、恋の伴奏者になってくれることは、私が経験上保障します。特に、アラサー・アラフォーのオトナ女子には媚薬のように効くんです。
JAZZバーで掛かっている曲の歌詞を教えてあげるだけでも、あなたの株は大幅アップ! ということで、この連載では、口説けるJAZZのナンバーの歌詞を、RIKAPEPE流に色っぽく翻訳してお届けします。
第1弾でご紹介するのは、1939年にアンディー・ラザフが作詞、サックス奏者ジョー・ガーランドが作曲し、グレン・ミラーが編曲して有名になった『In The Mood』というナンバー。
【歌詞】
目が魅力的なあの娘はなんて名前なんだろう?
それに、素敵な唇をしていて、ますます気になるよ。
声を掛けてみようかな。「僕と踊りませんか?」って。
彼女が言ってくれたら良いな、「素敵なステップね」って。だから僕は紳士的に話しかけた。
「もし宜しければ僕と踊りませんか?」
そしたら彼女が言うんだ。
「私もそんな気分だったの」
最初は彼女に軽く寄り添い、二人でダンスを始めたんだ。
それが気づけば強く絡み合い、まるで恋の気配だよ。
その時僕は言った。
「もう夜の三時も回っちゃったね。外で月が輝いているよ。一緒に見に行かない?」
すると彼女が言った。
「それはちょっと困るの」
「え?」
「今すぐキスしてほしい。私そんな気分なの」
「そんな気分・・・」
そう彼女は言ったんだ。
「そんな気分」と彼女が言ったとき、そんな気分のせいで僕もドキドキしてさ。
そんな気分って、彼女とキスしたい気分。
そんな気分って、恋の虜になりたい気分。
この気分って、今まで知らずにいた気分。
曲調とは裏腹に、スマフォーをドキドキさせるような大人な恋のはじまりを予感させますね。
バーで、この曲の歌詞の意味をささやくように教えてあげたら、彼女の目は必ず潤みます。それでももし彼女がドライアイだったら、RIKAPEPEが慰めるナンバーを歌ってあげるわね♡
では、次のナンバーでお会いしましょう。艶ュー(アデュー)!
Photo:Yoshihiro Kamiya
Text:RIKAPEPE
Edit:栗P