しかし、朱里さんに「ママ、若い感じにしてて!」と言い続けていた娘さんにも、数年前から変化が見られた。
「私の『白髪染めが面倒...』という愚痴に対し、娘が『ママが楽ちんなやり方にしたらいいよ』と初めて言ってくれたのが、彼女が高校受験に受かったときでした」
中学までは親が学校に赴く機会も多いが、高校からはそれもかなり減るからだと思った、と朱里さん。
「友達に『おばあちゃん』みたいな母親を見られたくないという気持ちが、娘にさほどなくなったんだと思います」
娘さんの理解を得られたことで、思い切って「グレイヘア」という選択をした朱里さん。
「頻繁な美容院通いを激減させることができ、時間もお金も大幅に節約できるようになりましたし、パサつきがちだった髪も、だいぶしっとりしてきたように思いました」
何よりも、ストレスが減ったと実感したそう。
「若く見せなければ! という強迫観念から解かれて、本当に気が楽になりましたね」
白髪染めをやめ、徐々に「グレイヘア」になっていったことへの周囲の反応は?
「ママ友などは何も言わずにいてくれる人が多かったです。あれ?という感じで一瞬頭に視線を送ってくる人もいましたが、すぐに察してくれるというか。
ただ、何か言いそうだなっていう人だけはこちらからあらかじめ話を振りました。『もう疲れちゃったから染めるのやめたわ』って。そうしておけば、ごちゃごちゃ言う人はいませんでした」
しかし、白髪染めをやめて自然体の「グレイヘア」となった朱里さんをひどい言葉で傷つけた人もいたという。
記事後編では、「グレイヘア」をきっかけに朱里さんを女性扱いしなくなったという夫の横暴な発言の数々についてお伝えする。
取材/文:中小林亜紀
Photo:Getty Images
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