五輪アスリートへの誹謗中傷を繰り返している皆さん、こんにちは。どうせお願いしたところでその誹謗中傷、選手に対するその攻撃、やめてくれないと思いますが、それでも言いますね。もうやめたら?
実は私、アナタみたいに「著名人やアスリートへの誹謗中傷を繰り返している人達」を何人も取材したことあるんですよ。皆、年齢も社会的な立場もバラバラでしたが、全員、見事なまでの共通点がありましてね、誰もが清々しいほど「ヒマ人」だったんです。
あ、念の為、これは時間のある方をディスっている訳ではありません。また「人ってヒマだと中傷するよね」なんて話でもありません。そんな単純な訳ないし。重要なのはアナタのような「誹謗中傷マン」がなぜヒマなのか、ここがポイントなんです。
……さて、年齢も立場も異なる彼らにはもう一つの共通点がありまして、皆さんいずれも「私はもっとやれる、私は社会から高く評価されるべき」という鬱々とした湿っぽいストレスを抱えていたんですね。
ただ、言いにくいんですが、ある程度の役職にある方も含め、いずれも社会から高く評価されるには色々と「ままならない」方々でした、すみません。
「私を高評価しろ」という不満を抱えつつ、でも周囲は評価してくれないから、自分でそれを示すしかない。その手段として彼らは他人を攻撃し、自分の価値や存在を証明しようとしているのでしょう。
残念ながら「こういう人たち」が頼られたり、何かを頼まれることは今後もあまりないので、さらにヒマになって負のスパイラルが加速するのです。地獄です。
あるお坊さんによると、人の幸せは「誰かの役に立ち、褒められ、愛され、必要とされること」だそうです。忙しくても、時間が余っていても、こっちのサイクルをうまく回せている方には、誹謗中傷をする動機が生まれない気がします。
いい加減、もうやめたらどうです?
稀に「アスリートやタレント、著名人なら、誹謗中傷に耐える能力が求められて当然」みたいに言う方がいてホントびっくりするんですが、そんな能力、誰も持っていませんから。
実のところ、誹謗中傷の多くは刑事事件にも該当せず、民事訴訟で訴えられる恐れもないものです。だからと言って「じゃあ誹謗中傷しても良いんだ」にはなりませんよね。当たり前ですが。
人が亡くなってしまうようなケースの多くは、罪に問われず、訴えられる恐れのない誹謗中傷によるもの。小突かれるだけでも、数万人に小突かれたら人は死にます。デコピンだって数万人にやられたら確実に死にます。みんな木村花さんの事件を忘れてしまったんでしょうか?
や、DMなら公衆送信に当たらないから誹謗中傷とみなされない、やり放題だよ、なんて自慢げに語る人が(本当に)いますが、そういうケースでは、脅迫や強要に対する被害届というアプローチで対抗策がとりやすいので、逆にご本人にとって「取り返しのつかない」事態に陥りやすいでしょう。PTSDを発症すれば傷害罪となる可能性もあります。前科や前歴が付くかもしれませんね。
タレントさんからご相談を頂き、警察の担当者を紹介したり、発信者情報開示請求についてご説明したりする機会も増えました。もうかなり多くの方が、やられっぱなしじゃなく反撃する準備、戦う準備を始めているのです。
誹謗中傷、もういい加減やめたら?
Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)
※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。