パリオリンピックが開幕した。連日活躍する選手たちの姿は、多くの人にパワーを与えている。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「阿部一二三選手や堀込雄斗選手など、大会連覇を成し遂げる選手も続出するなど、手に汗握る試合が目白押しです。一方、勝者がいれば敗者がいるのも現実。2連覇をかけた阿部詩選手の敗北は大きなショックを与えました」。
その後の大号泣に今、賛否両論が繰り広げられている。
「阿部詩選手は、世界ランキング1位のケルディヨロワ選手に1本負けをしました。茫然自失となった様子は、多くの人が目にしたでしょう。しかし、畳から降りたもののなかなか場外に出ずにその場で大号泣する姿に、礼儀がなっていないという声が上がっているんです。勝ったにも関わらず、ひとつの笑顔も見せずに礼節を守り抜いたケルディヨロワ選手とは対照的な姿でした」。
3年という長い時間を費やしてきた苦労を我々が語ることはできない。しかし、柔道が礼節を重んじるスポーツであることも事実であろう。今回話を聞いたのは、礼節を忘れた日本人を危惧しているある男性だ。
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橋本誠司さん(仮名・52歳)は、近頃思うところがあると話す。
「近頃の若い奴は!なんて言いたくないんです。でもね、やっぱり礼儀がなってないと感じることが多いですね…」。
誠司さんの部下の中でも挨拶ができない、敬語が使えないそんな若者が一定数いると話す。
「朝、ロビーで挨拶してもイヤホンして、スマホに没頭していて、まるで気がつかないなんて姿は日常茶飯事ですね。そういう礼儀のない人に遭遇した当初は、あまりにの非常識さにイライラしていましたが、今はもうイライラすることすら無駄だなと思うようになりました」。
敬語をあえて使わない部下もいるそう。
「フランクな方がよくないスか?とか言われたこともありましたね。もうなんて言いますか、注意するのが億劫で…。自分の子どもなら、躾しますがただの部下ですから、仕方がないと諦めていたんですが…」。
ここのところ、あることでイライラを募らせていると話す。