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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「おたく、どこに入れるか決まりました?」選挙の時だけ電話してくるママ友。宗教と友情は分離すべきか?

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不倫や浮気、DVにプチ風俗……。妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちが密かに抱えている秘密とは? 夫やパートナーはもちろん、ごく近しい知人のみしか知らない、女たちの「裏の顔」をリサーチ。ほら、いまあなたの隣にいる女性も、もしかしたら……。

選挙イヤーとも言われる今年は世界各国でさまざまな選挙が予定されているが、選挙前によく聞かれるのが、「投票したくてもしたい人がいない」という声である。

危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、「投票したいと思う人がいない」と言う人にありがちな行動についてこう指摘する。

「投票したいと思う人がいないから『意思表示のつもりで白紙投票する』という人がたまにいますが、これは無効となるため、実際には意思を示すことができません。投票したい人の名前以外にメッセージなどを書き込んだ場合も無効票となるので気をつけましょう。

選挙戦が始まると、いろんな思惑を持った人が寄ってきてさまざまなことを囁いてくるかもしれませんが、たとえ投票したい人がいなくても、『知り合いに頼まれたから』などという理由で貴重な一票の行く先を決めるのはいかがなものでしょうか」


ママ友とのトラブルについて取材する中で、「ある宗教に入っていると思われる家族の子供と自分の子供との関わり」についてお悩みを聞かせてくれた女性がいる。

「そのママ友は、ある宗教に入っていると思います。確かめてはいませんが、経験的に間違いないのではないかと」

こう話し出したのは42歳の西口三奈美さん(仮名)。夫とともに小学校1年生と5年生の女児を育てるパート従業員だ。

「今年、私が暮らす地域では下の娘が小学校に入学する直前に選挙があったのですが、こども園で仲良しだった子のママが、わざわざうちへ『投票のお願い』に来てびっくり、という出来事がありました。

『あ、また宗教の人が来た』と思いました。小学校が別々になり、やっと関係が切れると安堵した矢先のことです」

三奈美さんがこのママ友と知り合ったのは、下のお子さんがこども園の年中組のとき。

「子供同士が仲良かったのは娘から聞いて知ってましたが、園バスでの通園でしたし、私生活でお近づきにはなっていませんでした。でも、選挙前にだけ何かに憑かれたようにアプローチしてくるので、常に不気味な存在ではありましたね」

下の娘さんが年中だった年の夏のある日、突然玄関のインターフォンが鳴り、出てみると例のママ友が立っていた。

©Getty Images

「こども園で子供が仲良くさせていただいているダレソレといいます、と言っていきなり家に来たんです。驚きました」

玄関を開けると、いつも仲良くしてもらってありがとうございます、と唐突に挨拶された三奈美さん。

「うちの場所をよくご存知で、と言うと、子供さんが『〇〇の隣だって』とうちの所在地を親に教えたんだそうです。うちの隣は地域で人気の洋菓子屋さんなので、子供さんも伝えやすかったんでしょうね」

ママ友は不躾にこう言った。

「今度、選挙があるのご存知ですよね。あの、私、この〇〇さんという方を応援しているので、良かったら西口さんも応援お願いします」

特定の候補者を熱心に応援する人がいることは知っているが、ママ友が見せた人の所属政党を見れば、そのバッググラウンドは自ずと理解できたという。

「こういう活動は、何度も見聞きしています。なので、あ、アノ宗教に入っている人なんだなと思いました」

そのような働きかけがあった場合、三奈美さんはいつも同じように反応してきたそうだ。

「もう決まった人がいるのですみません、の一点張りです。どっちみち私生活で深く関わることもないし、その宗教に勧誘されるわけでもないので、こうやってスルーすればいいというのが私のいつものやり方。処世術です」

しかし、都合の悪いことに、このママ友の子供と三奈美さんの子供は、その後クラスの誰よりも仲良くなっていった。

「お互い学区も違いますし、家を行き来するようなことはなかったですが、子供の口からそのお友達の名前が凄く頻繁に出るようになりました」

毎日のようにその子と遊んだ話を聞かされ、わが子にそこまで仲の良い友達ができて良かったと思う反面、「うちの子の親友は宗教2世だか3世の子」という、何とも嫌な感じがつきまとった、と三奈美さん。

「うちの子を勧誘するとは思わないにしても、何を考えているのか、どういう生活をしている人たちなのか想像がつかなくて、ちょっと怖かったです。

でも、まさかその子と仲良くするなとは言えません。子供に罪はないですし、ママ友自体も親から宗教を押し付けられたのかもしれませんし」

しかし、この親子との距離感に迷っている間に時は経ち、子供たちは無事に卒園して小学校が別々になった。時間の経過だけが解決できる問題もある、と三奈美さんは思った。

「ですがホッと胸を撫で下ろす間もなく、3月の終わり頃ですよ。あのママ友がわが家にいきなり現われたのは……」

卒園で別れたばかりの親友の突然の訪問に、三奈美さんの娘は大喜び。

だが、母親はというと、玄関先でいきなり「私、今度の選挙でこの方を応援しているので……」と、例のアレを訴え始めたという。

「春休みでしたし、一緒に遊びたいと言って言うことを聞かず、ちょっとだけだよ、とそのママ友とお子さんを家に上げたんです。選挙の応援を頼まれたあと家に上げるのは気まずかったですが、子供たちのあまりの盛り上がりように『帰ってくれ』とも言えなくて」

突然押しかけられたのになぜ、という理不尽を感じながら宗教ママ友とその子を家に上げた三奈美さんだが、その後この何気ない行為が夫の逆鱗に触れてしまう。夫が怒った理由とは?

取材/文 中小林亜紀

▶︎後編に続く


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