ダウンタウン松本人志氏が週刊文集を名誉毀損で訴えた訴訟の第一回口頭弁論が3月28日東京地方裁判所で開かれることが明らかになった。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「松本さんは文藝春秋と週刊文春の編集長に対して5億5千万円の賠償金と訂正記事の掲載などを求めているようです。報道以来、本人の口から話を聞くチャンスがないままなので、多くの人が注目することになりそうです」。
この件に関して、身近な人と意見をかわしたという人も少なくないだろう。
「かくいう私も家族や同僚と意見を交わしました。本当にさまざまな意見があると痛感します」。
今回はこの話を通して、上司の人格に疑問を持ったという女性に話を聞くことができた。
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寺本のぞみさん(仮名・38歳)は、この話題をさまざまな人と話す中でひとつ気がついたことがあるという。
「年代によって結構受け取り方が違うなと思いましたね。若い世代は全然興味なさそう。それに対して50代以上はやけに熱のこもった話になる人が多い。実際に50代の男性上司たちは、熱を帯びて話していました。やっぱり世代ってあるんでしょうね」。
そんな彼らの意見に、のぞみさんは嫌悪感を抱いたという。
「この事件が明るみになったとき、開口一番、女の方はわかってて行ったんだろ!と言って盛り上がって居ました。言わんとしていることもわかります。でも相手があまりにも強大で影響力があったからこそ、断れなかったのかも…とか、そういう配慮が微塵もないことに愕然。心底、嫌な気持ちになりましたね」。
年代で差別するつもりはないが、明らかに片方の肩を持つ姿勢に疑問を抱かずにはいられないそう。
「ホテルに行く=性交渉の同意という土壌がまだまだ当たり前なんだと思い知らされました」。
しかし、何より違和感を持ったのは会社の女性上司との飲み会での会話だった。
「その女性は52歳。会社の女性の中では明らかにトップです。例の性差別の話題を持ち出した彼女が放ったのは、昔からよくあるというパワーワード。この発言にはかなり驚きました。確かに上司が若い頃は、世の中で活躍する女性が少なかったでしょうし、その分生きづらさがあったことも事実だと思います。ただ、当たり前と言われてしまうと…」。
上司がいうにはこうだ。
「お茶汲みや雑用は女の仕事。媚びも売らなきゃならないし、誘われた飲み会はフル参加。ボディタッチレベルのセクハラはグッと我慢をして、何がなんでも食らいついていく。その結果、今の地位があると…」。
あながち嘘ではないのだろう。ただ、それと性行為とはまるで別次元の話だし、時代も異なる。
「そうなんですけど、上司は私の時代は取引先のお偉いさんから食事に誘われたら断れず、そういう雰囲気になったこともあったとかいうんですよ。事実かどうかはわかりませんが、なんだか同じ女性としてちょっと引いてしまったというか…」。
のぞみさんがもっとも気になったのは、その話をする女性上司の態度だ。
「上司はその過去をまるで誇りのように話すんですよね。それを経験してきた私はすごいとでもいわんばかり。さらに、この話ぶりに引いている部下たちに、それじゃ上に上がれないよとか言い出す始末…。こういう会話って、男性社員がしたら一発でハラスメント対象なのに女性社員だと甘く見られるというか、誰も注意しないんですよね。飲み会の席とはいえ、さすがに困りましたね」。
いかがだろうか。皆さんにも似たような経験があるかもしれない。さらに【後編】では、エスカレートする女性上司に辟易するのぞみさんのさらなる苦悩に迫っていく。