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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「部員の前だと、私を召使い扱い…」剣道場で見た夫のセクハラ本性と、それを取り巻く昭和脳たち。ハラスメントと武道の「誰も触れない関係」

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「本当は、私は好きなことをやらせてあげたいんです。長男はきっと絵画教室とか連れて行ったら、もっとのびのび楽しめるんじゃないかな?と思ってはいるのですが、正直今は剣道だけでいっぱいいっぱい。私も一度通うことを認めたので見守っているという感じです」。

小学校の体育館で行われる剣道は週に2度。平日水曜の夜と土曜の午後だ。

「集まるのは20人程度。師範以外の先生は、夫のような保護者だそう。お手伝いにいらしている奥様方もいるみたいだけど、もちろん私はパスです。その約束ですしね」。

ところが、だ。

「忘年会に参加して欲しいと夫に頭を下げられてしまって…。例年11月に行うことになっているその会は、居酒屋の個室を貸し切って子どもも大人もみんな一緒です。去年まではコロナもあって開催されていなかったので、4年ぶりだと聞きました。今年は久々の開催ということもあり、ほとんどの親が両親で参加するそうで1度は断りましたが、長男にどうしてもとせがまれて、仕方なく参加することになったんです」。

玲香さんはその日のありえない惨状を思い出すだけで吐き気がするという。

「でも同時に、子どもたちを通わせたくないと強く主張する材料にもなりました」。

まず玲香さんが目についたのは「先生」と呼ばれ、お酌をされるのを待っているほかでもない夫の姿だった。

「なんていうのか、店に入った瞬間から人が変わったような雰囲気でしたね。発言も上から目線でいつもの夫とはちょっと違う雰囲気。もしかしたら、これを見せるために私を呼んだのかもしれません。ああ、だからここが居心地が良かったんだなってすぐに察知しました」。

ここで怒って帰るほど玲香さんも子どもではない。その忘年会で行われていることをじっと見守ったという。

「子どもたちの面倒をみていたのは、夫以外にもう1人いる先生の妻。小学校低学年がほとんどなので、騒いだり、水をこぼしたり、次から次へとトラブルが起こっていましたが、師範や先生は素知らぬ顔で若い保護者に囲まれてお酒を飲んでいました。その後始末を手伝うことで子どもたちの面倒は先生の妻の役目となってしまうのは、不本意でしたが、さすがに放っておけずに手伝うことに」。

それに気を良くしたのか、夫が玲香さんに「追加注文をとって」と指示したという。玲香さんは思わずキレそうな気持ちをなんとか抑えてじっと耐えたと話す。

「私も大人なんで。忘年会で行われていたことは異常としか言いようがありません。でも同時にその世界では長らく、いや今も変わらずそれが当たり前なんだということもよくわかりましたね」。

現場の様子をじっと見守る玲香さんは、さらなる惨劇を目にすることとなる。【後編】で詳細を詳しく追っていきたい。

取材・文/悠木 律



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