新年度の足音が近づく季節となった。新生活は何かと物入りだが、この物価高騰時代、少しでも出費を抑えたいと望む人はさぞかし多いことだろう。
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、新生活のための買い物では無理やムダを極力減らすべきだと語る。
「家族が進学や転勤などで別居することになると、家具や家電をあれこれ買い揃えなくてはならなくなるケースもあります。しかし、必要な物をすべて通常購入してしまうと一度の出費がかさんでしまいますし、後々不要になった場合処分に困ることも。
今は家具や家電もサブスクで賄える時代。場合によってはレンタルの利用も検討されてみてはいかがでしょうか。その際は、事前に複数のサービスの内容・料金を比較検討されることをおすすめします」
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新年度を迎えるにあたり、新生活にかかる費用の節約アイデアを教えてくださる方を探していたところ、昨年から利用している無印良品の家具のサブスクがとても良く、ぜひまた利用したいと考えている、と絶賛する女性から話を聞くことができた。
「夫が去年の9月、急に転勤を打診され1か月も経たないうちに決定し引っ越したのですが、その時にたまたま知って飛びついたのが無印のサブスクです。同様のサービスがさまざまあるなか、無印のコスパの良さや安心感は大変優秀だと思います」
こう語るのは会社員の城畑雪美さん(仮名)。インテリア好きの夫は自宅でも無印良品の家具をいくつか愛用してきたとのこと。しかし、あれこれ倹約中のこのご家庭。夫は赴任先でお気に入りの無印家具を新調できるとは思ってもいなかったという。
「ファンだったわりに無印のサブスクの存在を知らなかったので、まずググって最初の方に出てきた別の家具のサブスクをチェックしたのですが、どこも料金が結構高く、毎月ベッドだけで何万とかかるサービスも。それで『どうする?』と相談していたところに灯台下暗しで無印のサブスクを発見したんです」
リサイクルショップやメルカリなどで買うか、質を求めず安さ重視でその場しのぎの家具を買うか、そんな話に収まりそうになっていた矢先に見つけたのが無印良品の家具の月額定額サービスだった。2021年から始まったサービスらしい。
「設定したレンタル期間が終了になる時、その家具をそのまま買い取るか返却するかを選べるという特典は他の家具のサブスクでもよくあるんですが、無印は最長4年借りることができますし、何しろ価格が圧倒的に安いです」
無印の家具レンタル期間は最長4年、1年から利用可能で延長もできる。レンタル期間終了後には①買い取り②無印による回収のいずれかをユーザーの都合で選択することが可能だ。雪美さんの夫は詳細不明ではありながら4年~5年の単身赴任が見込まれているため、月額料金が最安となる4年間契約に決めた。
レンタル期間に応じて料金は変わる。たとえば無印の代名詞的家具『脚付マットレス』はシングルサイズを4年間借りる場合なら毎月税込700円で済むという(ちなみに1年契約の場合は全て税込で2900円/月、2年なら1450円/月、3年は950円/月)。
雪美さんの夫も脚付マットレスを選択。昨年、赴任先に届いて組み立てを手伝った時に撮った写真を見せてくれた。
「無印のポケットコイルは少しかためでとても寝心地が良く、狭い仮住まいでの寝起きも快適だそうです」
4年後にはメーカーに返却するかもしれないが、その頃長女が独立するようならそのまま引き取って長女に譲るという手もある、と夫婦は考えている。
「シングルサイズの脚付マットレスは、新品で通常購入すると32900円。うちの夫は他にシェルフも欲しがったのですが、両方を普通に買うと7万円ほどになります。『一度にそんなに出せん!』という金欠の彼には、月々少額のレンタル料を支払うだけのサブスクは負担が少ないので最高です」
他の商品についてや、気になる送料についても聞くことが出来た。後編に続く
※料金は、取材時から変更されている可能性があります。
取材・文 中小林亜紀