もうニットの着丈を計らなくていいんです!
人気連載「干場編集長のスタイルクリニック」略して【スタクリ】。第72回目は「レイヤードニット」。以前にクルーネックニットと下に着るTシャツのバランスをご紹介しましたが、今回はその発展ネタです!
秋冬カジュアルにおける定番アイテムであり、カジュアル化した昨今のビジネススタイルにおいても欠かせないクルーネックニット。下にTシャツをレイヤードして、首元や裾からチラリと見せるのがお約束です。
「以前、ニットにおけるTシャツの出し方をご紹介しました。1cmから1.5cmほどTシャツを見せることで、アクセントが生まれると。とはいえ、ニットの丈とベストなバランスのTシャツを見つけるのは、結構大変なんですよね」
そんなお悩みをニットブランド側もご存知のようで、最近とある提案が散見されているんです。それが、フェイクレイヤードニット。
「襟や裾に白い生地を二重にすることで、まるでTシャツをレイヤードしているかのうように見せているんです。これなら簡単にベストバランスが実現できます」
さらに見どころは、着ているうちにズレないこと。
「ニットがズリ上がってきてTシャツの範囲が広がると、ダラしなく見えてしまいます。レイヤードニットならその心配がありません」
寒くなると保温性の高い機能性インナーを着たくなりますが、Tシャツをレイヤードしていない分、かさばることもありません。
「これ、持っておくとすごく便利です。クルーネックニットはオンオフ共に重宝するアイテムだけに、コーデが楽ちんになりますよ」
もうニットとTシャツの着丈を測る必要なし! 地味に見えて革命的です!
Cruciani / クルチアーニ
何もしなくても完璧な差し色効果をGET
コート10万2300円、ジャケット7万400円、パンツ3万4100円/すべてモーヴ、他スタイリスト私物
ネイビーのピーコートに、ネイビーのパンツ、そしてクルーネックニットもネイビーで統一したこちらのコーデ。ニットの首元と裾、そして足元に白が入ることで、全体の印象が軽く見えてきます。
「赤や黄色といった派手な色を使わずとも、十分な差し色効果が得られます。といっても、裾から見える白が多すぎると、ラフな印象に。ベストなバランスをレイヤードニットが提供してくれることで、簡単にクリーンで上品なコーデが完成します」
ニットの魅力を最大限活かせるのもミソ
首元と裾にのみ白い編み地をあしらい、1枚下にレイヤードしているかのように見せたフェイクレイヤードデザイン。
「薄手のハイゲージニットの場合、Tシャツの生地によってはニットのドレープが損なわれることも。レイヤードニットなら、その心配もありません」
干場編集長のアドバイス①「サングラス」
差し色と同様に、サングラスでも軽さを
レイヤードニットを合わせることで、ネイビーでまとめた重めなカラーリングにさわやかさをプラス。ならば、サングラスも軽めで。
「濃度の薄いサングラスを合わせることで、白の差し色と同様に軽さを出しています。この抜け感が、冬のコートスタイルでは重要です」
干場編集長のアドバイス②「スニーカー」
冬だからこそ、こんなさわやか演出が効きます
足元には白のスニーカーを。レイヤードニットに配した白のチラ見え部分と共に、コーデ全体を明るく見せます。
「コートも含めた全体のバランスに対して、これくらいのボリューム感が最適。オール白アッパーにすることで、クリーンな印象が楽しめます」
SLOANE / スローン
のっぺりしがちな暗色こそ効果テキメン
ソリッドゆえに退屈にも見えがちな無地のクルーネック。白の差し色が入ることで、カジュアルコーデに断然合わせやすくなります。素材はウール。袖先にまで配したフェイクレイヤード部分は外側のニットと同じリブ編みになっており、リラックスした着心地を邪魔しません。
30/70 trenta Settanta / トレンタセッタンタ
素肌にニット、そんな贅沢着こなしが可能に
大人のデイリーウェアを提案するトラッディーシリーズで展開するこちら。素材はウールですが、カシミアに近い繊維長を誇るスーパーエクストラファインウールとあって、素肌に着てもチクチクしません。フェイクレイヤードなら、その極上肌触りを存分に堪能できます。
gim / ジム
ビジネスでも安心な、極々さりげないチラ見せ
菅原靴店の別注となるこちらは、オーストラリア産の希少なウルトラスーパーファインウールを採用。なめらかな肌触りと美しい光沢感が魅力とあらば、下にTシャツをレイヤードするのはもったいないというもの。あくまでさりげない見え方にこだわった、チラ見え幅に注目。
JOHN SMEDLEY / ジョン スメドレー
実はこんなやり方もありなんです
程よくゆとりのあるシルエットで、コートやジャケットのインナーにも合わせやすいイージーフィットを採用。こちらはフェイクレイヤードではありませんが、首元と裾に異なる色をあしらうことでアクセント効果が生まれ、コーデが単調に見えないようになっているんです。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Ryoko Kanemoto
Hair&Make-up:Akiko Obokata
Model : Noah Ishikura
Text:Masafumi Yasuoka
Direction:Yoshimasa Hoshiba
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