お互いの家族が揃ってバーベキューをする昼下がりは、子ども達も普段より機嫌よく過ごしていたらしい。
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詩織もアキラの家族と会う前後はとても機嫌がよく、集まりを楽しみにしていたと言う。
家族以外の人と会う緊張感からか、いつもよりメイクもしっかりとしておしゃれにも気を遣っているようだった。
トオルは主にバーベキューの火起こしや、肉や野菜の焼き加減に気を配る担当。アキラは子ども達を遊ばせる担当。日頃子育てに疲れ気味の奥さんたちには、ビール片手に寛いでもらうスタイルになっていった。
彼らの性格を知っている裕二には、その光景が目に浮かぶようだった。
色々な事が順調に見えていたある日、トオルは奥さんから告げられた。
「もう一人子どもができた」と。
自分の子どもと信じて疑わなかったトオルは、喜んで妻を今まで以上に大切に扱った。トオルの目からは、詩織も子どもができたことを喜んで、幸せそうに見えたと言う。
ところが、詩織のつわりが治まり、安定期に入ってしばらく経ったある日、彼女は突然家を出て、二度と帰っては来なかった。
「ごめんなさい。お腹の子は、アキラさんの子供です。私はアキラさんと生きていきます」という信じられない書き置きを残して。
前出・平塚氏が言う。
「私の元に相談に来る人の中でも、こういうケースは珍しくありません。お互い家庭があるからこそ、2人の熱が燃え上がってしまうのです。そのほとんどが、破滅的な結末を迎えるのですが…」
Text:FORZA STYLE
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