電動キックボードに関する規制緩和から約2ヶ月が経ち、事故やルール違反など、さまざまな事案が報道されています。「交通ルールがよく分かっていなかった」など、そもそも運転するための準備や心構えができていない利用者もまだ多いようで、警察による交通ルール違反での検挙数は2023年7月だけでも全国で406件、なかでももっとも多かったのが「信号無視」で187件だったそうです。
交通ルールを守ることは大前提なのですが、電動キックボードへ乗る前に知るべきなのは、それだけではありません。
■わずかな段差が命取りに!!
電動キックボードの弱点のひとつが小径のタイヤです。電動キックボードのうち、一定の基準を満たす車両は歩道を走ることも可能ですが、車道と歩道では、路面の凹凸のようすは大きく異なります。
うねりが多少あるものの、基本的にはフラットにつくられている車道に対して、歩道には2、3センチにもなる段差や大き目のうねり、タイル張りやレンガ張りのような滑りやすい路面、砂利道など、歩いているときには気が付きにくい、いろいろな凹凸があります。
このわずかな段差に電動キックボードのフロントタイヤがひっかかってしまえば、乗員が立ち姿勢で運転するために重心が高い電動キックボードはバランスを崩しやすいため、簡単に転倒してしまいます。
バランスを崩しやすいことで、たとえば、車道を走行していても、すぐ横をクルマが高い速度で通過するだけで、風圧で左右にふらつくことも考えられます。交通ルールを守ることはもちろんなのですが、電動キックボードを運転するときには、こうした弱点も理解して運転しなければなりません。
もちろん、電動キックボードの販売店舗では引き渡す前に説明をされているようですし、レンタルする際も注意書きは書いてあるのですが、慣れてきたころには忘れてしまっている、ということが多いそう。電動キックボードを利用する際には、バランスを崩して転倒したところにクルマが走ってきたら、歩道で倒れて通行人にぶつかってしまったら、というリスクを忘れないようにしなければなりません。