パッと見、平面でアイロン掛けしやすそうなネクタイですが……
前日夜・当日朝、週頭・週末、各々時間は異なれど、日頃から仕事着にアイロンを掛ける習慣のある几帳面なビジネスマン。身だしなみへの意識が高く、清潔感もあり、社内評価や営業成績も優秀かと思われますが…、実はその細やかな気遣いが逆効果になってしまう場合があるんです。
そもそも アイロンの頻度として、シャツは日常的、スーツはシワが気になる、もしくは折り目が消えかかったタイミング(約1週間)といった具合ですが、ことネクタイに関してだけは ぶっちゃけ必要ありません。
先ほど述べたように、無知故の優しさが、本体に著しいダメージを与えてしまうこととなり、結果寿命が短くなってしまうのです。
では、なぜネクタイにアイロンを掛けてはいけないのか?
ザックリですが、要点をまとめると2点に絞られます。まず、1つ目。そもそも ネクタイは伸縮性を担保するため、生地がバイアス(ななめ 45°)に裁断されており ――おまけにシルク生地ともなれば―― イージーケアとは真逆の存在なんです。
ナンダカンダ縛られてるけど、実はとっても繊細で、すぐにご機嫌斜めになっちゃう箱入り娘的存在とでも言いましょうか。
2つ目は、立体感こそがネクタイのストロングポイントだから。ジャケット、シャツ、スラックス、これらのアイテムと比べてもコンパクトで、あたかもアイロンがけしやすそうなルックスですが、実はハンカチよろしく平面に見えても、シルクと芯地が 絶妙なバランスで重なり成り立っているんです。
圧殺されたペタペタのタイほど みすぼらしい姿はありません。理想は ふっくらとした鰻のようなイメージですかね。
とまぁ、ネクタイにアイロンをしてはならない理由を挙げたものの、着用後、結び目や首元部分にシワが生まれる自体は どうしても避けられません。
その場合でも ベタっとアイロンで押さえつけるのではなく、スチーマーや アイロンのスチーム機能を用いて、触れずに軽く均すだけでいいのです。
スチームかけるのすら面倒くさいというオジサンにお薦めしたいのが、お風呂の湿気を用いたなんちゃってスチームアイロン(一応、スーツにも流用可)。
手順は簡単、風呂上りに“円柱形の”タオルハンガーやポールに掛けるだけ。ただ吊るすだけなので、アイロンの電源を入れる必要すらありません。
お風呂上り、冷蔵庫のビールやフルーツ牛乳を飲む前に 風呂場にネクタイを吊るす習慣さえつければ時短も出来、ケアと節約の一石二鳥。
あっ、面倒だからといって ネクタイの結び目を残したまま解かないなんてのは 紳士として言語道断。学校指定のネクタイがある高校生までにしておいてくださいね。
TEXT:FORZA STYLE