アイドルの自己紹介フレーズ『えくぼは恋の落とし穴』はネクタイにも当てはまる!?
2005年に地球温暖化対策として環境省が呼びかけた「クールビズ」。沖縄のアロハシャツこと「かりゆし」をきっかけに、本州でもノーネクタイが解禁される夏だからこそ、身に着けていると ついつい目を奪われるのが、そうネクタイです。
クールビズを逆手にとり意図的にスーツ、あえてタイを結ぶというスタイリング戦略も存在しますが、何十年にも及ぶルーティーンゆえに“ゲン担ぎ”化して外せないという方もチラホラ。
そんなスーツ・ネクタイ派を電車内や街中で見掛けると、気になることが……
タイの結び目にディンプルが存在したのは、半分以下でした。そもそもディンプルとは何か? と思った方も少なからずいらっしゃるでしょう。
新入社員なら この問いに答えられなくても仕方ありませんが、ベテランでこれを知らないとなると、かなり重症なので改めて ここでおさらい。
ネクタイのディンプルとは ――オジサンだけでなく今や若者さえもお手入れしているゴルフボールの名称と同じ―― “えくぼ”や“小さなくぼみ”といった意味になります。
結び目の下に小さく出来た えくぼ。もろちん必ず作らなければならないわけではなく、所謂テクニックの部類にあたりますが、ちょっとした工夫ひとつでネクタイに立体感が生まれ、Vゾーンの見栄えがより良くなります。
とくにシルクの場合、光沢感に加えて陰影が生まれ、メリハリが生まれます。
しかし、裏地にも表側と同じ生地を用いて(要はシルクを2倍使って)製作しているような高級ネクタイなどは自然と奥行きと、立体感も出るため、極論つくる必要はありません。
そもそもスーツは正装とされ、正しく着こなせることが上品さや礼儀正しさに結びつき、知的かつ教養の高さを主張することに繋がるわけですから、添えるネクタイも同様。
まずは きちんと意味を知って、正しく結び、ディンプルをきちんと作れたら "正しく着ている"、"装いにも気を遣えている"という印象を与えられます。その結果、信頼感の獲得に結びつくのではないでしょうか?
ということは、経営者、中間管理職、フレッシャーズ隔たりなく誰しもが覚えておいて損はないはず。
最後に、そんなディンプルも、通夜・葬儀といった弔事では NG行為にあたる場合があります。
これは、ディンプルをつけることがネクタイに立体感を出し、華美になるという判断から弔事にはふさわしくないということらしいのですが、スーツ自体が身体を立体的に見せるアイテムなため、あえて のっぺりとしたスーツでも着ない限り、ネクタイの結び目だけ平面的にしても チグハグなだけです。
ちなみに、いつも正しくスーツを着るチャールズ3世は、母エリザベス2世の葬儀関連行事(通夜の式典やバッキンガム宮殿からウェストミンスター宮殿への葬列など)においても、ネクタイにしっかりとディンプルを入れています。
慣習やマナーを意識しすぎて、おかしな格好をすることなく、つねに "正しく着る"ことを心がけてみてはいかがでしょうか。
TEXT:FORZA STYLE