義母は妊婦の琴美さんをすごく気遣ってくれた。何かしてほしいことはないか、普段の生活の中で困っていることはないかなど、体調の悪そうな琴美を優しく気にかけてくれたという。
そんな中、不快な思いをしたのが、実家で食事をしているときの義父の一言だった。
「『仕事はもちろん有給で休んでいるんだろう? 妊婦は病気じゃないんだからな! 俺が胆石で手術したときは痛すぎて死ぬかと思ったぞ』って、言ってのけたんです。思わず耳を疑いました。また、『昔の妊婦は、農作業の途中に産気づいて野良で産んでいたんだから、本当は働けるはずだとか』。トチ狂ってるとしか思えませんでした」
顔色が悪く、明らかに体調不良と分かる妊婦の琴美さんを目の前にして、義父はそう言い放ったそうだ。
「『妊婦は病気じゃないんだから、現場からすると産休にも入ってないのにつわりで休まれるのは困るんだよな』みたいな言い分でした。義父の職場にも産休に入った妊婦さんがいたようで、仕事の引き継ぎなどで残された社員がバタバタして大変だったみたいです。
でもそれを、つわりで苦しんでいる私を目の前にして言いますか? 胆石と出産を比べられても……って感じですよね。本当に意味がわからない」
入籍してまだ日も浅く、義父と険悪になることは避けたいと考えた琴美さんは特に言い返すことはせずその日は帰宅。
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