既婚者合コンで出会った2人は、10日目にして男女の関係となった。
「とてつもなく幸福でした。彼とひとつになる瞬間、夫の顔がチラつきましたが、それもすぐに消え去りましたね。私のことを女と見てくれない夫にどれほど失望し、女としての自信を失っていたか——でも、シュンジさんと肌を合わせることで、自信を取り戻したんです」
濃密な時間は、これまで「妻と母親に徹した引き換え」と思えるほどの陶酔を与えてくれたという。
しかし、ユキさんは大きな後悔をすることとなる。
「シュンジさんと求めあい、心地よい疲労感で眠ってしまったようです。ハッと目覚めてスマホを見た時、すでに午前4時を過ぎていたんです。
当然のように、夫からは何度も着信が入っていました」
何とも恐ろしいことだ。
「隣で寝ているシュンジさんを起こし、『家に電話をするから』と、慌ててバスルームに駆けこみました。
夫に『何時だと思ってるんだ。母親失格だな!』と怒鳴られました。
私は『ごめんなさい。講師の皆と呑んで酔いつぶれちゃって』と平謝りです。
そのままシャワーを浴びて急いで着替えました。
シュンジさんは『ごめん、俺も寝ちゃって……』と何度も詫びてくれましたが、私はそれどころではありません」
ユキさんは身支度を終え、タクシーに飛び乗った。
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