【後編】「デートレイプドラッグ」を警戒し過ぎる彼女がしんどい！難しい現代を生きる若者の恋愛事情。

恐らくゆうべのデートで何かあったのだろう、と美香子さんは想像した。しかし、成人した息子のデートについて根掘り葉掘り聞くわけにもいかない。黙って次の言葉を待っていると、眠そうな目をこすりながら息子は喋りだした。

「やはり彼女からまったく信用されていないと言うんです。ゆうべ夜ごはんをどこかのお店で食べた時に、『私は絶対にお酒は飲まない』と宣言されたそうなんです。お酒は飲めるけど、男の人がいる席では飲まないと。”男の人”という一括りの中に自分が入っていることが、息子にとっては不愉快だったらしいですね」

息子は『あなたを信用していない』と宣言されている気がしてイラっとしたが、慣れてしまっていたこともあり、その宣言には何とか我慢ができたのだそう。問題はそれよりも、その後の時間、ずっと楽しめなかったことにあったようだ。