伝説となった！初代セルシオはどこが凄かったのか

■日本での発売予定はなかったセルシオ　きっかけは「シーマ現象」

しかし実は、LSは当初、日本で販売される予定はなかったそう。それが一転して、日本で「セルシオ」として販売されることになったきっかけは、セルシオデビューの前年である1988年に日産「シーマ」が発売され、「シーマ現象」とよばれるほどの大ヒットを記録したこと。好景気の背景から高級車市場が活性化していたこともあり、クラウンを超える車格をもつセルシオの導入が決まったそうです。

クラウンが286万円〜という価格で買えた時代に、最低455万円からというプライスが付けられたセルシオ。まさにパーソナルカーとしては当時最高級のモデルであり、日本においても非常に高いステータス性を持つモデルとして認知されました。

3代目、最終型のセルシオ。中古で狙うならノーマルの車体を選びたい

そんなセルシオですが、現在も中古車市場には在庫があります。初代で低走行、程度の良いモデルだと300万円以上となりますが、相場価格は50万円程度〜250万円というところで、タマ数も豊富です。もともと耐久性が高く頑丈なモデルですから、走行距離が多めでもそれほど気にしなくてもいいと思いますが、ローダウンやいろいろ手が入っている個体は注意したほうがよいでしょう。また、エアサス仕様が欲しいならば、3代目で低走行のモデルを選んでください。初代や2代目のエアサスは、さすがに耐久性が不安です。

電動化によって、クルマの静粛性や振動などが、以前では考えられないほど向上し、非常に快適になりました。そしてその価値は一般的な小型車にまで及んでいます。そのレベルを強烈に押し上げた存在のひとつが、初代セルシオ。いまなお語り継がれているのも納得のモデルなのです。

Text：Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo：：TOYOTA
Edit：Ogiyama Takashi