そう得意気に言う千尋だったが、聞けば啓介と会った時はいつも行為だけだという。ラブホテルへ向かう車中では、夫婦時代の助手席ではなく後部座席に座らせられている。恐らく身バレ対策のためだろう。やはり啓介は千尋のことを欲を満たす相手としか認識していないのだ。
元夫婦同士の不倫という事から、啓介の事を自分のものだと思い込んでいる千尋。そんな千尋を誘い、オスの本能を首尾よく満たせていると思っている啓介。さて、この状況をどう整理しよう。「勘違い天然妻の末路」いや、「体育会系奔放男の末路」とでもしておこうか。
もしかすると一番の被害者は体育会系奔放男に声を掛けられ、数か月後にその体育会系男の元妻とその子どもの家庭訪問を受ける啓介の現妻なのかもしれない。
ライター 千住明子
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