「まさかあんな事が原因でバレるとは思いもしなかった」
オンナのカンを侮っていた、得意先の女性との不倫関係にどっぷりハマった男の末路とは……。
FORZA STYLE「ライフ取材班」がレポートする。
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「外回りの営業なので、評価の基準は売上以外にありませんよ。納品などの業務もないので行きたい時に行きたい得意先に行けるんです」
今回話を聞いたのは、東海地方に暮らす営業マンの田村ユウキ(仮名・30歳)だ。
「いわゆるBtoBの営業ってやつで、どの得意先に注力して売上を上げるかは、ある程度営業マンに委ねられているんです」
そう説明する彼の目はイキイキとしていた。
情熱を持って仕事に取り組んでいるのだろう。いや、今となっては彼には仕事しか残っていないと言ったほうが正しいのかもしれない。
「あの、業界名は伏せてくださいね。狭い業界なので」
彼に配慮し、ここでは雑貨店への営業としておく。
一般的に大きな店舗で仕入れや販売などの能力を磨いてから独立する人が多い業界らしい。
「僕がヒトミと出会ったのは、彼女が独立する前の勤め先でした。完全に僕の一目惚れだったんです。別にプライベートがつまらなかったわけではないですよ。妻との関係も良好で、子どもも生まれる予定でしたし。でも、ヒトミ(仮名)は僕のタイプど真ん中の女性だったんです。ただそれだけですよ」
彼の開き直った口ぶりが印象に残っている。
「ヒトミはその業界には珍しく、茶髪で化粧が派手なギャルという接客販売業には似つかわしくない外見でした。シャツの胸元がいつも大胆に開いていて、完全にやられてしまいました」
当時ヒトミは28歳。大学卒業後に就職した大手の店舗で経験を積み、自分の店を持つために準備中だった。
ユウキは彼女が独立を目指している事を知り、情報提供から開店まで全力でサポートしたのだった。
「彼女の店に行くときはもちろんいつも外しましたよ、結婚指輪。その頃は正直なんとかして一緒に食事に行けないか、あわよくば関係を持てないか、そんな事ばかりを考えていました」
物件探しの手伝いや商品を紹介といったユウキの懸命なサポートもあって、1年後ヒトミの店は無事にオープンした。
「オープンして1ヶ月くらい経ったときに、店に行くために電話を入れたんです。
年末の繁忙期で木曜日しか時間が取れなかったんですが。ただ、それが逆に良かったんです」
彼女の店は毎週木曜日が定休日だった。しかしオープンしたばかりで雑務が残っていると、ヒトミは木曜日も店に出て仕事をしていたのだ。
「表のシャッターは閉まっていて裏口から入るように言われました。やっぱり忙しいみたいで、冷蔵庫やら折り畳みのベッドやらがありほとんどそこで生活しているみたいでしたよ」
開店直後という事もあり、ヒトミは店に泊まり込んで仕事をしていた。
一通り仕事の話を終えると、思わぬ話になった。