療育センターは定員がいっぱいで、すぐには利用はできなかった。しかし、現在、櫂は療育センターに通所しながら、幼稚園とも連携をとっている。 相談先が見つかったことで朱里の心は少し軽くなったように見える。
療育センターの先生にも話を何度も伺い勉強会にも積極的に参加した。
「私は1人じゃない」
しかし、隆と朱里の溝は、いまや隔絶に近いほどの距離になっている。
「櫂にとって、理解のない父親といることがプラスになるだろうか、と考えてしまいます。いっそ、私と2人だけのほうが、伸び伸びと育てられるような気がして。最近では離婚も考えるようになりました」
両親が同じ思いで我が子を支えることができる日は来るのだろうか。
Text:女たちの事件簿チーム
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