その晩、珍しく康二とはるかが揃って食卓にいるタイミングに、また塾から電話がかかってきた。
「白紙の解答はあれ一度きりだったんですが……」ふたりは塾の講師から衝撃の告白を聞くこととなる。
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「作文対策講座で『意見の違いとコミュニケーション』というテーマの作文を書いたらしいんです。そこに、僕たちふたりのあんなことやこんなことが書かれていたそうで……。
しまいには、『父と母との合意点を探したがどうしてもみつからなかった』と」
「本人には持たせられないので」とうながされ、作文ははるかが取りに行くことになった。
はるかは塾の職員室で、奇異の目が向けられているのを感じたという。
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