「『夜に外出するのはどちらか1人』というのが僕たち夫婦の暗黙のルールで、息子との間に会話がなくなってからもその生活を変えるということはしませんでした。
『どっちかが家にいるんだから、いいだろ』って思ってたんですよね。
そうしたらある日、僕が家にいる日に塾から電話がかかってきたんです。息子が塾のテストを白紙で出しているって」
これはまずいと思い、康二はすぐはるかに電話をしたという。しかし、はるかは酔っており、「えー。明日話してみるー」その一言だけで電話を切ってしまった。
康二は仕方なしに慶次に事の顛末を問いただした。しかし、慶次はじっと康二を見つめるだけで、何も答えなかった。
翌日、はるかも同じように慶次に事の顛末を問いただした。しかし、答えは同じ。慶次はじっとはるかを見つめるだけで、何も答えなかった。
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