ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
LIFESTYLE 愛と悲鳴の婚活道場

岡山出身のコンプレックスとマザコンが難。人気翻訳家の婚活相談。

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

アンドロメダから来た男

タカ:恵まれないというレベルを超越しています。オヤジがとんでもないヤツで、家族をぶち壊し、母親や弟、妹にドン底の生活を強いたんです。私が16才の時に母親と離婚しましたが、それ以来一切の連絡を絶って今日に至ります。レディーの前で失礼ですが、あいつを「オヤジ」と呼ぶのがイヤなので、「クズ」と言い直させてください。あいつは、母親や私に殴る蹴るの暴行を働き、朝から酒浸り。ろくに働いたためしもなく、DV、借金、ギャンブルとおよそ普通の家庭では考えられない地獄を私たち家族に味わわせてきました。

川崎:とても苦労をされてきたのね。

タカ:苦労なんてレベルではありません。クズの悪行を書くのは読者の方のお目汚しになるので控えますが、一例をいえば、私が高校時代、2年間新聞配達で貯めたお金を、自分のパチンコにぶち込むようなヤツです(苦笑)。

川崎:それはとてもお辛かったでしょう…。私は悩みを持った女性のカウンセリングをすることもあるのですが、親からされた厳しいしつけや虐待の経験は、「心の傷」や「トラウマ」という言葉が生やさしく聞こえるほどの苦痛を与えるんですよね。そのときの苦しみや憎しみが、成人してから噴き出してくることも多いから、本当に難しい問題だと思います。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割
婚活の相談をするタカ大丸とアドバイスをする川崎貴子

タカ:実は、そんなクズから一刻も早く逃げ出さなかった母親に対しても、忸怩たる思いがあるんです。母親はいい人なんですが、少しでも学があれば、慰謝料を取れただろうし、置かれている状況の異常さ、離婚後の生活の立て直しのプランもアタマによぎったでしょう。しかし、今でも『お父さんはそんなに悪い人じゃない』という。お人好しと言えばそれまでですが、無知は罪です。だから、少年時代からずっとずっと岡山から出て行くことだけを考えていました。はじめて「8MILE」を観たときは、『エミネム、岡山を見てこの映画作ったんだな!』と本気で錯覚しましたから(笑)。

川崎:大丸さんみたいに、思っていることをはっきり口に出して言えること、素晴らしいと思いますよ。もうずっと日本では「親は偉い」という儒教が浸透して「尊属殺人」なんて法律があったぐらいだけど、「親だから無条件に尊敬すべき」というのは違うわよね。

タカ:おっしゃるとおり! 私は儒教なんて大嫌いです。だから、儒教的価値観が根深い岡山を捨てて、世界へ出たかった。岡山人からしたら、イスラエルもアメリカも同じ、「アンドロメダ大星雲」です。それぐらい、心理的な距離感があるんです。私はその二つまで、遙か遠くに脱出することに成功したんですね(笑)。

川崎:岡山から抜け出したいという願いが、大丸さんの目を海外へ向けさせたのね。それを行動に移したバイタリティーが凄い!

Yahoo! 配信用パラグラフ分割
婚活の相談をするタカ大丸とアドバイスをする川崎貴子

タカ:イスラエルに行って何がビックリしたって、僕の実家よりはるかに安全だったってことです(笑)。向こうでは戦争してたんですよ、僕が行ってたとき。戦時中で自爆テロもあるのにうちの実家よりはるかに安全なんです! 僕の実家には法律もなければ、守ってくれる軍隊もない。自分が生まれてから両親の離婚が成立するまでの16年間、ずっと戦争よりひどい状態でした。「戦争を知らずに、僕らはうまれた」って歌があるけど、僕はよ~く知っているという(笑)。

うちの母親はよく殴られるわけですよ。あのクズは暴れない日のほうが珍しかったんじゃないかな。ほぼ四六時中家にいて、何の理由も前触れもなく爆発するんですよ。それ、時限爆弾抱えてるのと同じですから。ほら、今はDV防止法があるでしょう。ホットラインとかに電話をかければ警察すぐ来てくれるわけですよ。でも当時は、「民事不介入」っていうのが厳然とあって、結局警察も国も頼りにならないわけですよ……。

一番ひどかったときは、当時マンションに住んでてね。また例によって暴れ始めて。アイツが妹をブン殴ったのかな。それで僕が殴り返したんですよ。当たり所が良かったのか悪かったのか、あっちが完全に我を忘れて、僕と母親で裸足で逃げたこともあります。

川崎:……。

タカ:大人になって、DVって何かを研究してたんですよ。で、ちょっとウチが他と違うなと思ったのが、DVをはたらくヤツって、基本凄く理性的なんですよね。いかにも見境なく暴れてるように見えるでしょ、違うんです。なぜそれがわかるかというと、「自分が大事にしているモノ」は絶対に壊さないから。だからホームシアターとか、ゴルフセットとかの前では暴れないんですね。壊していいモノ悪いモノ、殴っていい人悪い人を注意深く選んでるんです、アイツらって。

あと、反撃してくるヤツや外に実態をバラす様な人間には決して手を出さない。それに、DVやるやつは外面がいいんです。だから「まさかあの人が家の中でそんなことを…」って人が多いんです。ただうちの場合は違って、中でも外でも手当たり次第に暴れますからね。

Yahoo! 配信用パラグラフ分割
婚活の相談をするタカ大丸とアドバイスをする川崎貴子

川崎:外にどう思われても構わない、というタイプだったのですね。それはそれでストッパーが無いから、ご家族は大変でしたね。

タカ:僕と母親が裸足で逃げたとき身を寄せたのが、母親の姉の家だったんです。お袋もバカだから、クルマを近くに置いていたんです。そこ、ちゃんと遠いところに隠さないと(笑)。そしたら夜の11時半すぎとかにドンドンドンドン!って、おばちゃんの家を叩くわけですよ。

川崎:ホラーですね……。

タカ:それであんまりうるさいからおばちゃんも玄関のドアを開けちゃったんですよね。お袋も一緒に出ていったら、その瞬間にバチーン!って……。いつだったかな、妹が結婚したときに、アイツ以外の親族が結婚式で全員集まったわけですよ。おばちゃんに10年ぶりとかで会うわけですよね。で、普通お祝いの席ってカンパイするじゃないですか。そのときでも、僕はアルコールを一滴も飲まないわけですよ。怪訝そうな顔でおばちゃんが見るから、「俺お酒一切飲まないんだよ」って言ったら、目が真っ赤になって、「そうだよね、あんた小さいときお父さんが酒乱でひどい思いしたもんね……」って。だからお袋よりもお袋の周りの方がわかってくれてる。お袋のほうがわかってなかったりするときがある。

なんで37才のこの年齢まで結婚しないかって、色々理由はあるんですけど、ひとつは一定の月収がないと結婚しちゃいけないと思ってるんです。ましてや子供を作るんだったら、月収100万円超えないとダメだってずっと思ってたんです。



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5