着なくなったとしても手放すことはできません
ディテールやシルエットを細部まで表現したファッションイラストや ポップで軽妙なキャラクターなどを巧みに描くイラストレーターとして活躍するソリマチアキラさん。オーダースーツを颯爽と着こなすウェルドレッサーとしても有名です。
1950〜60年代のスタイルを愛しながらも時代の空気を捉え、それほど執着せず、着なくなったものは手放してきたと語るソリマチアキラさんが、思い入れが強くて捨てられなかった服を紹介する企画の第6回目は、クールストラティン(COOL STRUTTIN'& co.)のジャケットです。
現在は残念ながらなくなってしましましたが、1950~70年頃のニューヨークのジャズミュージシャンをイメージしたスーツなんかを展開するクールストラティンというブランドがあったんです。
浜田比左志さんがクリエイティブディレクターを務め、2005年にスタートしたブランドだったんですが、そのロゴをデザインさせて頂いたんです。
その記念的な意味も含めて、作って頂いたエンブレムを胸につけたブレザーをパターンオーダーしました。
ジャケット類を仕立てていたのは、東京スカパラダイスオーケストラの衣装も手掛ける、大阪のビスポークテイラー小西正仁さんでした。
裏地は赤で当時の雰囲気が香りますが、デザインは着やすいようにベーシックに作られています。
これは、普段使いというよりは、小さいパーティに招かれた際に着ていますね。
自身がデザインしたブランドロゴという思い出が込められているので、着なくなってしまったとしても手放すことはないと思います。
イラストレーター
ソリマチアキラ
東京で生まれた後、新潟に移り住んで 18歳までを過ごす。中学生の頃よりアイビーやプレッピーに触れ、ファッションに傾倒。古着屋や百貨店内のショップスタッフ、バーテンダーなど、さまざまな職種を経験する傍ら、イラストレーターとしての活動をスタートさせ、本業に。雑誌、広告など幅広い分野で活躍。一般社団法人東京イラストレーターズ・ソサエティ会員。1966年東京生まれ。
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka