ブラックは残っていませんが、このベージュは季節が訪れると毎年着ています
ディテールやシルエットを細部まで表現したファッションイラストや ポップで軽妙なキャラクターなどを巧みに描くイラストレーターとして活躍するソリマチアキラさん。オーダースーツを颯爽と着こなすウェルドレッサーとしても有名です。
1950〜60年代のスタイルを愛しながらも時代の空気を捉え、それほど執着せず、着なくなったものは手放してきたと語るソリマチアキラさんが、思い入れが強くて捨てられなかった服をご紹介する企画の第2回目は、アルファインダスリーズ(ALPHA INDUSTRIES)社のM-65です。
1988年くらい、21歳の頃に購入してから ずっと着続けているM-65です。
20〜21歳の頃は、アパレルの会社に入社し、フレンチトラッド系のブランドで働いていました。
短い期間だったので直営店にいたことはなく、百貨店の平場に派遣されたり商品管理などをしていたんですが、その影響は多分に受けてフレンチトラッドの必須アイテムだったベージュのM-65を購入しました。
はっきりとは覚えていないんですが、おそらく渋谷クアトロの地下にあったミリタリーものを扱うショップで買ったんだと思います。
そのショップで働いていた当時は、ブラックもよく着ていたんですが、そちらは手元には残っておらず、このベージュだけが残っています。
季節になると引っ張り出して、ほぼ毎年着ていますね。
よく見かけるイタリア人のようにスーツの上に羽織るような着こなしはしないで、もう少しカジュアルにタートルの上に着たり、スカーフで味付けしたりが多いです。
作りはしっかりしていて、30年以上着続けてても痛みは見られないので、まだまだ現役。
今後も手放すことはないと思います。
イラストレーター
ソリマチアキラ
東京で生まれた後、新潟に移り住んで 18歳までを過ごす。中学生の頃よりアイビーやプレッピーに触れ、ファッションに傾倒。古着屋や百貨店内のショップスタッフ、バーテンダーなど、さまざまな職種を経験する傍ら、イラストレーターとしての活動をスタートさせ、本業に。雑誌、広告など幅広い分野で活躍。一般社団法人東京イラストレーターズ・ソサエティ会員。1966年東京生まれ。
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka