履き込んだらカッコ良さそうなのに、なぜか……
さて、183回目は「ブルネロクチネリ(Brunello Cucinelli)」のトレッキングブーツをモチーフにしたような編み上げブーツです。
そろそろ涼しくなってきましたので、「#靴魂(くつたま)」にブーツネタなんかもポストして頂きたく、ブーツネタを仕込んでみました(笑)。いいかげん靴ネタが枯れてきました……。
このブーツを手に入れたのは、だいぶ前。出逢った瞬間に、あるブランドの懐かしいブーツを思い出し、ノスタルジーに浸ってしましました。
そのブーツとは、アンダーカバー(UNDER COVER)が2003年春夏にパリコレデビューした「SCAB(瘡蓋)」のコレクションで発表されたもの。このシーズンは、パリコレデビューまでのドキュメンタリーをフォトグラファー富永よしえさんが密着して撮影し、『relax』に掲載されるんですが、そこでジョニオさんやスタッフの方々が履いていたブーツがとにかくカッコ良かった!
おそらくドコかのトレッキングブーツをモチーフにアレンジさせたブーツだったんですが、量産されたものは 誌面に載っていたブーツとは程遠く…、琴線に触れず。26〜7歳だった僕らは その元ネタを探し求めて、神保町界隈のアウトドアショップをくまなくウロウロしていました(笑)。
結局、らしいものに出逢うことはなく、他にも買うものが多過ぎたため 忘却の彼方に追いやっていましたが、ある日このブルネロクチネリのブーツを見て、当時思い描いていたものに近くて嬉しくなり、迷わず清水ダイブしてしまいました!
時間がだいぶ経っているので、思い出補正もかかっていますが…、靴の側面を保護するためサイドプロテクター的なレザー使い、ノルウィージャン製法を模したウェルトの感じ、ボリュームがあってグリップ力も高そうな無骨なソールの組み合わせが 完璧でした。
しかも、アッパーがネイビーのシボ革。これが黒だと重すぎてハードすぎるし、ブラウンのソールとも相性が良い。
革の質に関しては、ブルネロクチネリですから問題なし。
これをガシガシ履き込んで、カタチも崩れ出し、ボロボロになってきたらカッコいいんだろうなぁ、なんて思ってから早や幾歳……。まだタグも付いたままで箱に納まり、眠っている。
あの頃のように勢いでクラストパンツ穿けたり、革パン穿けるなら合わせてみようってなもんですが、最近は軍パンですら遠のいてるし、ウールパンツか、下手したらイージーパンツ、スウェットなんて日もあって。
じゃあ夏にショーツで、なんて思ってもウンザリする暑さでブーツどころか靴下すら敬遠する毎日。
あぁこれじゃ履かない、儚い運命を辿ってしまいそうなんで、ここは一念発起。固定概念を取り除いて、スウェットパンツで紐緩めに履く感じでノンビリと育てることにします。ジジィになる頃にはイイ感じに味出てるかなぁ。
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka